ミルキーセピア物語

弥生美術館で陸奥A子展を開催しているあいだ、美術館のカフェ・港やでは、このミルキー・セピアがメニューに登場しました。

たしか、甘味は黒糖ベース。味と色に深さとノスタルジーを添えて。上に散らした花模様のカラースプレーがいじらしく可憐に70年代気分をもりたてるフォトジェニックな一杯でした。
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九州漫画ミュージアムには、残念カフェがありません。隣接するリーガロイヤルホテル内3つの店舗とコラボして、展示期間中ミルキー・セピアを提供していました。1Fのメインバーと3Fのカフェテリア、最上階のラウンジの3店舗。いちばん行きやすいカフェテリアにむかったわたしを責めないでください。

このミルキーセピアはふわっとフルーティーな香りが意表をつくたのしくフェミニンな味わい。北九州という土地柄か、車で美術館に来た人のために、ノンアルコールバージョンも用意していたもよう。太っ腹なことにレシピも公開ー。材料がそろいそうだったらおうちで再現してみてください。

蜂蜜とナッツのフレーバーのウィスキー「ジャックダニエルテネシーハニー」とフランス・モランの「パッションフルーツシロップ」を使用し、上品な香りと甘みに仕上げました。眠れない夜にオススメの温まるドリンクです。お酒の苦手な方や車の運転がある方には、ウィスキーを使わずにパッションフルーツのシロップだけでもおいしく愉しめます。こだわりのポイント:ご自宅でも簡単に作れて、またアレンジが楽しめるものにしました。牛乳のかわりにオレンジジュースやリンゴジュースで作ってもおいしいですよ!

(ちなみに我が家にはウィスキーがないので、ホットミルクに少しの蜂蜜、ブランデーでミルキーセピアをつくりします。ふつうに美味しい。冷たいミルキーセピアはいっそ冷凍庫でキンキンに冷やした牛乳にブランデー。冷たいのは甘みをいれないほうが美味しい気がします。慣れてくると、ブランデーの香りがしない牛乳が物足りなく思えます)
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なんだよー、どっちも展示が終わった今じゃあ飲めないのかよう。などとお嘆きの方は、東京は葛飾区柴又にある昭和レトロ喫茶『セピア』のミルキーセピアをどうぞ。
ameblo.jp
 
陸奥A子ファンのセピアママが、陸奥A子愛をもとにつくった夢の喫茶店。70年代への愛が結晶化したようなお店でいただくミルキーセピアは格別。アイス版、冷たいミルキーセピアもあります。ちなみに、アルコールはここがいちばん強めでした(別添えなので分量は自分で調節できるんだけど。別添えの量がすでにたくさん。自分は特にお酒強くないからと半分入れたら、半分がすでにけっこうな量だった。ママ、ありがとうZZZ‥)。帰りの電車で寝すごさないように注意。
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このお店、陸奥A子ファンの方はもちろん、そうでない方も70年代ファン、かわいいもの好きであれば間違いなくたのしめます。まんいち70年代に特に興味ないんですって人がいても、2度3度通ううちに流れる音楽にとりつかれたり手にした手芸本に魅了されたり、新しい扉を開けるかも。それもたのしい。ちなみにハジメテ来訪した日は日曜日で、柴又散策中のマダム軍団がレトロモダンそっちのけでふつうに珈琲とおしゃべりに興じていて、それもイイナアと思ったんでした。

陸奥A子×少女ふろく展 〜DOKIDOKI『りぼん』おとめチックワールド!〜

2015年10月1日〜12月25日 @弥生美術館
 
 
陸奥A子×少女ふろく展 〜DOKIDOKI『りぼん』おとめチック❤ワールド!〜
1970年代半ばから80年代にかけて、少女雑誌『りぼん』で活躍していた漫画家・陸奥A子は、恋や友情に悩む、読者と等身大の少女像を描いて人気を博しました。陸奥の作風は“おとめチック”マンガとも呼ばれ、アイビー・ルックや背の高い優しい男の子は、少女たちの憧れを誘いました。さらに陸奥のイラストによる“ふろく”も熱烈に支持されました。
 本展では陸奥の『りぼん』から『YOU』までの貴重な初公開原画やふろくを多数展示し、併せて少女雑誌のふろくの変遷を約300点の史料によってたどります。

2015年の秋に弥生美術館で開催された陸奥A子×少女ふろく展。
美術館で陸奥A子だけの展示が行われる、こんな日が来るなんて。長生きはするものだなあ。
随分昔になくしてしまったと思っていたおとめちっくを愛する心が自分のなかにこんなに残っていたことに戸惑いつつ、長生きはするものだなあ(二回目)。会期中に二度行きそのたび大感動(展示替えがあるので3パターンあった。一番最初のは、すごい人気ですごい混雑、グッズ連日品切れ中という紹介を見てひるんで行きそびれた。そう、はじめは会期中に一度行けば充分かと思っていたので。一度行ったら展示替え後も行きたい!行かなきゃ!ってなった。わたしいつもスタートダッシュが遅くて後悔するんです。この歳にして日々勉強)、燃え尽きたと思っていたのに。

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マロンパフェ2015

去年はうっかりしてマロンパフェ2014をまとめなかったけれど。毎年のマロンパフェの定点観察は、マロンパフェに変化がなくても自分の身体に変化がある、ということに気づき愕然としました。なんといいますか、弱っているときには、マロンパフェが重く感じることもでてきたのです。泣きたい。でも、そもそもマロンパフェのよいところは、酸味を排除したところだと思っているので。果物のパフェをそんなに愛せない身としては、いつかくるかもしれないマロンパフェ卒業の日*1におびえながらも邁進するのみ‥。そんなかんじで2015年秋の記録。
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【タカノ】10/1(木)マロンパフェ1674円。紅茶594円。栗2種類を2粒ずつ。マロンクリーム、マロンアイス(栗の粒いり)、バニラアイス、マロンムース、ブリュレ、カラメルジュレ、クラッシュアーモンドの香りの焼き菓子。
 

今年いちばんさいしょに向かったのはタカノ。いきなりしくじったかしら。 マロンパフェ界においては毎年スタイルをがらりと変えてくるタカノが台風の目というかおたのしみなのに。たのしみは最後に残しておく派のわたしがこの理性のなさ。などとおののきながらいただいたマロンパフェはとても美味しかった。なんていうかケーキっぽかった。そしてビューティー!構成は、アレ、去年とあんまり変わってない?タカノもついに落ち着く場所を見付けたのかしら。それは祝福するべきか、寂しがるべきか‥。むずかしいなあ。とりあえず今年のタカノのマロンパフェは、とても美味しく幸先のよいマロンパフェはじめとなりました。まる。

【渋谷西村】10/7(水)和栗のパフェ1850円。栗3種類。マロンペースト、生クリーム、ホワイトチョコ、マロンアイス、チョコレートアイス、チョコレートソース、砕いた焼き菓子、コーヒーゼリー
 

にばんめに向かったのは渋谷西村。と・いうか、西村に行くつもりじゃなかった。でも、前を通ったらマロンパフェ2種類ありますのポスターと、19日から2か月ほど改装工事で休業しますの貼り紙があったんだもん。入っちゃうよね(うなだれ)。
「2種類のマロンクリームのパフェ(1380円)」と「和栗のパフェ(1850円)」。ウェイトレスさんに違いをたずねると、「和栗のほうが栗の風味が強いです」。ほんまかいなと思いつつ和栗をオーダー。以前食べた西村のマロンパフェがカジュアルな味だった(値段も他のお店よりカジュアルだからアタリマエなんだけど)ため遠のいていた西村のマロンパフェ。和栗効果なのか貫禄のある味でよかったです。中にチョコレートアイスが入っているんだけど、チョコと対等に渡り合いつつくどくない、素晴らしいバランス。これは、2種類のマロンソースのパフェのほうも期待できるのでは?ああでもパフェは1週間に1度って決めてるし(感動が薄れないように。アンドカロリーとお小遣い問題)‥。もうひとつのマロンパフェを食べられなかったことが今年の心残りでしょうか。

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銀座千疋屋10/13(火)マロンパフェ1836円。紅茶540円。栗4粒。ラム酒の香りの生クリーム、マロンアイス(バニラアイスに砕いた栗2〜3粒相当をまぜたもの)
 

もうひとつの台風の目である銀座千疋屋。シンプルな構成ゆえの危うさというか。一昨年は、ラム酒の効力に酔いしれました。去年はラム酒が控えめで、生クリームにやられました。思わず昭和枯れすすきを口ずさむほどのやられっぷりでした。
用心しながら向かった今年は、まさかのベストバランス!グリコのポーズをとりたくなるほどの快挙です。うーわー、美味しいなー。ほーんと、美味しいな。ひとくちごとに首をかしげながらいただきました。今年はどのマロンパフェも紅茶といただいたのですが、お茶っ葉が入ったままスタイルだったのは銀座だけでしたが、ミルクティで飲むならぜったいお茶っ葉は残しておいてほしいじゃないですか(もしくは、しっかり濃くだしておいてほしいじゃないですか)。そんなところも好感度大でした(でもまァ、レモンティ派やストレートティ派にはマイナス要素よね)。今年のマイ・ベスト・マロンパフェは銀座千疋屋な気がします。栗の状態(しっとり感ほっこり感)もいちばんよかったし。でも、じゃあもう一回食べるかと聞かれたらひるんでしまう。だってあまりにそのときの自分のコンディションに左右されるから*2

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千疋屋総本店】10/23(金)マロンパフェ2052円、紅茶(カップ)324円。栗4粒?(メモが不鮮明で判読不可能。すみません)。生クリーム、マロンペースト、マロンアイス、キャラメルアイス、チーズ味のパイ生地、バニラアイスに砕いた栗がたくさん、グラスの底に栗餡?
 

ところでパフェの上部に、常温のものを添えるじゃないですか(昭和だったらウェハースとか)。あれは、冷たいものを食べて冷えた舌をこれで休めてくださいってことらしいので、あの常温トッピングは、自分でタイミングを見て投下していかなくてはいけないのです。上に乗ってるからって先に食べたらあんまり意味ない。 自分はマロンパフェにおいては冷たさより甘さに舌が麻痺しないよう、一緒にあたたかい飲み物を頼むようにしていますが、常温部分をどうするかってことはパフェについて考えるときとても重要だと思います。(フルーツパーラーフクナガは、果物屋さんだしパフェのサイズも大きくないし、常温についてはまったく触れず、でもその選択がベストな按配)。時にパフェは、素直にタテに食べすすめたらイカンのです。その素直さが命取り。みたいな。
話はずれたまま総本店。一見去年と同じスタイルですが、うえにのってるパイ生地が、はっきりチーズ味でした。衝撃。別にチーズに恨みはないのですが、ここでチーズ味、必要ですか? なんか一気に食事っぽく感じちゃう。でも実のところ、夕食としてマロンパフェを食べてるわけだから、食事感は歓迎するべき?うーむ難題。紅茶が4種類から選べて、しかも1杯かポット提供か選べる(当然値段は違うのですが)のはとてもよいと思いました。

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京橋千疋屋11/2(月)マロンパフェ2160円、紅茶(ポット)432円。栗3粒。葡萄、マロンアイス、バニラアイス、マロンクリーム、チョコレートブラウニー、生クリーム、カラメル味ブリュレ。
 

去年一昨年とわたしを魅了した京橋千疋屋。 なのですがすみません。栗友とでかけたため、おしゃべりに夢中になり味は二の次になりさがってしまいました。なんたる体たらく。もう一度ひとりで食べに行くべきか?とも考えたのだけど、値段を考えるとそれには抵抗が。そもそもてっぺんにのってたの葡萄だし。今後はライフワークなのだから!と強い心を持ってすべてのお店にひとりで挑むべきなのでしょうか。悩みます。
と・こ・ろ・で。今年は京橋千疋屋のマロンパフェスタートが遅かったんですよね。去年まで10月1日スタートだったのに今年は「10月下旬には」「11月には」みたいな曖昧なスタートで(本店のお水の報道より前にマロンパフェの時期については迷走していた)。もしかしてマロンパフェにあまり力をいれてない?あんなに美味しいのにっ!
もうひとつ不思議だったのは「ハーフサイズパフェ」の存在。ハーフサイズのパフェに紅茶がついて、ふつうのパフェ1つ分の値段なのですが、パフェ半分の値段に紅茶をプラスしたら、もっとお値段安くなるんですよね。ハーフサイズパフェに対して、フルサイズ(ポット提供)の紅茶なのかしら。ハーフサイズといいながら、2/3サイズのパフェなのかしら?だとしたら値段に納得いくけれど‥。不思議だったのでウェイトレスさんに聞いたところ、「ハーフサイズなので半分と考えていただければ」と至極もっともなお返事。え?じゃあ値段高くない?とつっこみたい気持ちに気付かれたのか、「‥フルサイズのパフェのほうがお得ですよ♪」と爽やかに去って行かれました。でも、フルサイズが得なのではなく、ハーフサイズが損なのでは。とても気になったのですが、ハーフサイズセットを注文する気力はわきませんでした(年に一度の仕事バタバタ期がやってきて去っていった。今はもう年末‥)。中途半端なレポートですみません。さあ来年もしまっていくぞー!

*1:そのときはそのときで栗最中の定点観察でもするので、べつに、いーのだ

*2:バクチかよ‥

ニーネ ワンマン「ともかく」@ganja☯acid presents『真昼の廃人 真夜中のHigh人』

 

この日の大阪行きの目的は、ニーネのライブ「ともかく」を観るためでした。
ニーネ初の大阪ワンマンにして、事故に遭われて4年半バンドを休んでいたサダさんの復帰祝いライブの関西版。9月6日の東京版復帰祝ワンマン「とにかく」に行けないことに非常に落ち込みながらも*1、わたしには「ともかく」がある!とこの「ともかく」を心の支えにしていたのです。
東京版「とにかく」もとてもよいライブだったと聞きますが、この日の「ともかく」も素晴らしかったです。この3人で音が出せることがうれしくてしょうがない、という必然と奇蹟が結晶した時間。よろこびのグルーヴ。これって無敵だな。かっこよくって、うれしくて誇らしくて泣けてきちゃう夜でした。

一部: 01)酔っぱらっている 02)約束 03)空を見ていると 04)恋しくて(小沢健二カバー) 05)よろこび 06)反省 07)とにかく 08)マカロンの歌
二部: 09)人間扱いしようぜ 10)自分のことが出来たら 11)タワオブサン(サダさんボーカル) 12)アイラブユー(尾崎豊カバー) 13)天気みたいに 14)誰もいない(ヒライさんボーカル) 15)はなそうぜ 16)タイ料理
アンコール1: 17)かっこつけて行こう 18)うつぎみDXOK アンコール2: 19)サマーメロディ

お店の方のリクエストで「恋しくて」のカバーが聴けてうれしかった!わたしは小沢健二を通らなかったので(ややあって若干避けていた)、この歌はニーネのカバーでハジメテ聴いたのですが、すごいすんなりニーネの歌になっているのでオザケンのカバーだと知ってびっくりしました。それくらいニーネの歌になっているのにあまりライブで演らないのでこの日観たのがハジメテでした。すごいへんてこで切なくて、オザケンいい歌作るんだなあ(スーパーいまさら)。歌う大塚さんに歌に対する愛情があふれてるのがとてもよい。ぐっとくる。また演ってほしいなー。
弾き語りでしか聴いていなかった「人間扱いしようぜ」がバンドで聴けたのもうれしかった!てか、そうだよね。まずバンドで聴いておくべきだったのにわたしったら。いやいやかっこよかったです。でも、ニーネの曲にハズレなしっていうかどれもほんとにかっこよくって。それがあのテンションで繰り出されるのでたまらないものがありました。なんでライブって終わっちゃうんだろう。
自分としては、はるばる大阪まで新幹線代と夜行バス*2代をかけて出かけたことを少し後悔させてほしい気持ちもあったのですが、困ったことに、この夜に立ち会えてよかったとしか思えず。いい夜だった。いい一日。花のような一日だった(これはニーネの歌のタイトル)。
 
(写真右手前にあるのはドリンクチケットなんだけどなんたる使いまわし。貴重な気がして引き換えられず)

*1:デキシード・ザ・エモンズの復活ライブと重なっていたため。なんたる人生の妙。家族会議したよ

*2:翌日下北でピーズだったためこの日は日帰り

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