みんななかよし♡キャンディ・りぼん vol.2

 2019年2月の15日(金)~17(日)の3日間、柴又昭和レトロ喫茶セピア*1・2階のお茶の間に、りぼんのふろくを広げさせていただきました。
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 この日記を昔から読んでくださっている人なら、そういえばリコ兵衛はりぼんっ子だったかも、とうっすら憶えていてくださっているかもしれません。ええと、この日記の日*2からコツコツふろくを集めはじめて、けっこうな収集量となったのです。昭和レトロ喫茶のママにして70年代りぼんっ子だったセピアママとりぼんのふろくについて話すうちに(いや、陸奥A子愛を語るうちに)、なんとなく、セピアの2階でイベントやりませんか?やらせてください(即答)的な流れになった次第です。
 イベントといっても、基本昭和のお茶の間(ものすごくかわいい空間)にふろくを広げるだけなんだけど、かわいいお茶の間にふろくを広げたら、わたしはうれしくてしあわせだし、集めたふろくたちも、たまにはかわいいお茶の間に広げられて、ふろく愛好家のみなさんに見てもらったら、やっぱりしあわせじゃないですか。そんなイベントです。今回vol.2なのは、2017年の12月にvol.1があったからです。
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 恋も二度目なら少しは上手に‥。中森明菜が歌ったように、ふろくイベントも二度目なら、なにかテーマを作ったほうがいいだろう、と考えて、今回は「バックトゥザ1979年」、1979年のりぼん12冊分のふろくを展示することにしました。ふろくの整理をしているときに、79年ならほぼコンプリートしてるな(タッタタ~♬)と気付いたのです。おりしも今年は2019年。ちょうど40年だし。
 しかし1979年、わたしはまだ「りぼん」を読んでいませんでした。セピアママは、そろそろ気持ちが「りぼん」より年長雑誌に移りかけていたそうで、あまり思い入れがないようでした。でもやるんだよ。なぜか。

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水出珈琲 喫茶モナ

なにもこんな年の瀬の押し詰まった時期に行かんでも‥と思いつつ、1月は1月であわただしいだろうし、せっかくお休みが取れたので、駆け込むように向かったイルフ童画館

柳原良平 船と絵本とアンクルトリス 2016年11月18日(金) - 2017年1月23日(月)
  

柳原良平のグラフィカルなデザインを絵本という側面から見せてくれたり、奥様のお誕生日に贈られた愛情と愛嬌と緻密な技術いっぱいの手作り‥紙製のアンクルトリスやデコレーションケーキに胸がいっぱいになりつつ「精巧すぎるぅ‥!」。いろんな角度からうっとり眺めた。アンクルトリスのミニトートがもらえるのも太っ腹でうれしかった!このミニトート欲しさに飲まないであろうトリスを買おうかじっとり考えたことがあるのでなおさら。
武井武雄のコーナーは大澤コレクションや、グラニフコラボの原画展示!『花園の気流』の原画はじめて見た!麗しかった〜‥。白い紙に描いたからあの色なのかな。色味新鮮だった‥。この日が2016年イルフ納めかつ2016年美術館納めと思うとなかなか帰る気持ちになれなくて困った。来年も美しいものたくさん見られますように。何度も世界に感謝する気持ちになれますように。推定3歳児がラムラム王のことを「かわいい人」と呼ぶのを聞いて、あまりのかわいさに武者震いもした。あわただしいからこそ、来てよかったな。
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さて、イルフ童画館のそばある、モナという喫茶店

岡谷駅周辺で純喫茶、といえばここなのかしら。喫茶もできるレストランやカフェはあるけれど、純喫茶は。
以前一度お邪魔したことがあり、雰囲気がよくて自分好みなのはわかっていたけど、岡谷には日帰りで行くことが多いので、イルフ童画館内の喫茶ラムラムの限定メニューが気になったり(最近ラムラムの活躍がめざましいのですが!お邪魔したくなる企画展メニューで心をくすぐる。にくいぜラムラム!)、近くに出来たお菓子屋さんやカフェのごはんも食べてみたかったり、ごはんだったらいっそ鰻を食べたかったり‥。前回(2016年秋)向かった日は定休日だったし、最近はすれちがいでした*1
 
(たつみ会館のメニューが混ざりこんできてムムム。当たり前だけどモナにはお刺身ありません)
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まだ12月で雪はありませんが、岡谷はほぼ北国。モナのドアを開けると、ふわっと暖かい空気。石油ストーブのにおい。マンボかな?音楽が耳に心地よく。いきなり暖をとらせてもらった気分。北国の喫茶店は冬がよい。

以前このお店に来たときはママが切り盛りする時間帯でラジオが流れていたような気がするのですが、この日はマスターが、お店の中央にあるレコードプレイヤーでBGMを流しており、レコードによって音のバランスを調整している模様。うわー、いいなあ。一気にテンションがあがるわたし。紫煙が育てた褐色の空気も好ましい。ほんとにとても暖かい空間。前にこのお店に来たときも冬だったけど、1月の夜は寒すぎて、暖めてもらってもまだ寒かったのかしらん。
 
お店の目玉商品水出珈琲は苦みがまろやか。落花生は、マスターが栽培されたそうで「普通の落花生よりだいぶ大きいんだよ」とご自慢そうにサービスしてくださいました。プリンアレンジの1種である「パリジェンヌ」は、下にバニラアイスが敷きつめられており、うう!しばれる!思いだした、前回もたしかこのパリジェンヌをオーダーして極寒だったんだ〜‥(自分、バカなんすよ‥)。

凍えつつにんまりしているわたしにマスターは言いました。「この店、あと三日で閉店しますんで」。!?‥2016年の営業のことですか? 静かに店内の貼り紙を指差すマスター。家内の体調が良くありませんでね‥。昭和42年に始めたこのお店は、あと三日、2016年12月30日で閉店するのだそうです。え?え?え?うろたえるわたしに、「わたしどもでも今月になってから決めたことで。今年のはじめには、あと十年はお店を続けるつもりで水回りを補修したばかりだったんですけどね」。

なんて骨体‥!やっとひさしぶりに来れたのに。さっきまでいらしたお客さんがちょうど帰られたところだったので、店内の写真を撮らせていただきました。
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(珈琲の 香りまとひて 秋の街)
 

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(発表します!特に好きなコーナー。文字通り角。お店の奥席。毛糸のクッションカバーの昭和感いとしいです)
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(発表します!ここもかなり好き。やばい。テーブルとテーブルを区切るついたて?の中に水槽がはめこんであるの。ときめく)
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昭和42年にオープンされて、約半世紀。岡谷の町は変わりましたか?わたしの頼りない質問に、「ええ、変わりましたよ。だいぶ変わりました」。やっぱり昔はこのへんは、ずっと山道だったのかなあ。ぼんやり想像しようとすると、「お店が出来た頃は、もっとにぎやかだったんです。町も人も」。予想外の展開。「今は、商店街もこのへんまででしょ?もっとずっと向うまで、商店街が続いていたんです」。あ、でもたしかに映画館とかこの先ですもんね‥。「今はシャッター商店街みたいになっちゃってるでしょ?あんなもんじゃなかったんです」。やっぱり予想外の展開*2
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‥気を取り直して店内を見やる。こんなときにもレコードの音は暖かい。不思議な機械がいっぱいあるけど、これはなんだろう。横に貼ってある折り紙かわいいな。眺めているとマスターが機械のつまみをひょいっとひねり、店内にラジオが流れました。うわ、ラジオ!これ、現役のラジオなんですか?「こっちもラジオだよ」。マスターの趣味のひとつに、古い機械を修理することがあるらしく。なんと廃品から作ったレコードプレイヤーまで。下の木枠から手作りなんだそう。この世に78回転のレコードがあることを、はじめて知りました。50回転(ズ)なんてまだゆっくりじゃん。

(これもラジオ。囲いが無いだけ)

(写真撮ってるときは気付かなかったので非常にぼんやり映っていますが。グリーンの陰にあるのが廃品から作ったレコードプレイヤー)
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不思議な蓄音機でレコードをかけてくださるマスター。ハンドルを手回しして、この振動がここから反響して・・・。え?電気を使わずにこんなに大きな音が?「そうですよ。エジソンが発明したまんまです」。え、え、え〜?蓄音機って、ポータブルプレイヤーなんですか?「‥蓄音機は蓄音機ですよ‥」。昔はこの蓄音機を持って山に行き、フォークダンスを踊ったんだそう。
なんて素敵なの‥(山の上DEフォークダンス‥!)。名残り惜しいながらもあずさの時間がせまっていたので頃合いを見ておいとま。最後になってしまったけれど、来れてよかったです。素敵なもの見せていただいてありがとうございました。
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前回お店に来た時に、「マッチはもうないの」と言われた気がするのですが、マッチを蒐集するようになって、たずねるタイミングによって返答が違うことを知ったため、ダメもとで聞いてみた(お会計でレジを開けたとき、付近にそれらしきものが皆無だったので「やっぱりないのか〜」とは思ったんだけど、昭和42年に開店したお店なんだからマッチ、あってくれ‥!と祈る気持ちで)。
「マッチ‥!マッチね!そうそう、ここに入れてるんだよ」。お店の中央に脈絡なくおかれたペンギン(このペンギン、気にはなってた。ものすごく)の置物のなかからお店のマッチがざくざくと!

(実は重要な任務を担っていたペンギン)
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「マッチね〜。言われるまで(存在を)忘れていたよ。閉店しちゃうんだから、もう、お店に来てくれたお客さん全員にもらってもらえばよかったなあ」。
マスター!わたし、このマッチを見るたびに、今日のことを思い出します。

*1:ああ、でも、結果論だけど。前回行けていたら「やっぱりよいところだな〜」とほくほくするもこの日は別のお店を散策して、来年になって閉店を知りすごく悔やむことになったんだろうな。いろいろな出来事が繋がっての日々なんだろうな‥。ちょっと泣いてこよう

*2:岡谷は蚕の町だったので、昭和にとても栄えたのです

アズ50年展〜漫画同人の半世紀〜 @米沢嘉博記念図書館

アズ50年展〜漫画同人の半世紀〜 @米沢嘉博記念図書館 

九州を中心に活動し続けてきたマンガ同人誌グループ「アズ漫画研究会」。コミックマーケット準備会代表を長年務め、当館コレクションを旧蔵していた故・米沢嘉博氏もメンバーでした。1966年秋から50年続いているこの研究会の、草創期から現在まで――。「肉筆回覧誌」「ガリ版」「湿式コピー(青焼き)」「乾式コピー」を経て「オフセット印刷」へと、ひとつの漫画研究会のあゆみを通して、同人誌の歴史の全貌に迫ります。文月今日子陸奥A子など、アズに所属するプロ作家の代表作原画や若手の活躍などを紹介します。

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「描く!」マンガ展 @川崎市民ミュージアム

「描く!」マンガ展 〜名作を生む画技に迫る―描線・コマ・キャラ〜

「描く」「人に見せる」「たのしむ」という、マンガの本質的な営為に着目し、優れたマンガ家たちの卓越した作画技術を紹介するとともに、その時代背景をさまざまな視点から見つめ直します。
出品作家: 赤塚不二夫、石ノ森章太郎、手塚治虫藤子不二雄Ⓐ、水野英子あずまきよひこさいとう・たかを島本和彦竹宮惠子平野耕太PEACH-PIT陸奥A子諸星大二郎

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愛は命の花である

いまだかつてこんなに陸奥A子のことを考え続けた日々があっただろうか。否、ない。そう即答できるほど、陸奥A子のことを考え続けたここ数か月。
自分でも、2016年とは思えない。でも2016年に実際こうして陸奥A子関連の展示が目白押しっておかしくないですか?なぜ自分以外の人が平常心でいられるのかわからない。
そもそも「陸奥A子」というペンネームが、こどもの頃はこわかった。名前だけ見て、きっとすごくアバンギャルドな作家さんにちがいない!って予想して、ふんわりしたおとめちっくな作品に出会う衝撃。でも、大人になった今ならわかる。ふんわりしたおとめちっくがいちばんアバンギャルドなんだよう。実際、「太宰治のファンだから、陸奥という単語に憧れがあって」「Aは、アルファベットのいちばん最初の文字だから」「わたしのペンネームって目立つんです」。情念とクールな分析が同居して、いきなり名が作風を表していてすごいと思う。
うまく言えないけど、平成の表現はマイルド。

(↑ 昭和の。りぼんマスコットコミックスより)


(↑ 平成の。ベストセレクションセブンティーズより)

結局3冊買ったのですが、このセブンティーズがいちばん読み応えあった。特別収録作品『れもんばばろあ色の夢』のおかげかしら。でもでもでも、『マジカルミステリー・インスタントコーヒー』未収録のこと許したわけじゃないんだから。