へくそ花も花盛り
先月の丸木スマ展で、予習もかねて購入したあやさんの自伝*1。
へくそ花も花盛り―大道あや聞き書き一代記とその絵の世界 (福音館文庫 ノンフィクション)
- 作者: 大道あや
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 2004/05/20
- メディア: 単行本
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1909年広島生まれということで、当然原爆の記述があるのだけれど。おそろしさとともに、女性の生命力に驚かされる(原爆をあびた日に、「せめて温かいもの召し上がれ」って周囲にかぼちゃの汁をふるまうんだから!)。女ってすごいな。すごい女の集まりだから無理もないのか、母に反発心を持ったり・義姉とすれ違ったりするのが、やるせなくも興味深い‥。
花火工場の事故(旦那さんを亡くしたとき)の描写は、まっとうであるがゆえにとても壮絶。感情的になるわけでないのが、逆につらい。わたしはこんなまっとうに人と向き合える(みとる?)自信がない‥。目指したい地平ではあるけれど‥(ほんとすごいです。death‥)。
文章に添えられた白黒のカットのひとつひとつが、ぬくもりがあってかわいくて(たまに憎たらしくて)、すごくいいアクセント。見入ってしまう。絵に対しては「描いていてたのしいことはなんもない」ということだけど、こういうカットはたのしんで描かれたのではないのかなあ。