ゴーストキス(2010) @ポレポレ東中野

「青春は過ぎ去った。Hもすっかりご無沙汰だ。44歳の私にできるのは、無茶することだけだ。無茶して、失敗して、コテンパンに叩きのめされて、ヘコンで、泣いて、ヤケッパチになって、笑いながら踊り出すだけだ。」 −いまおかしんじ

康子の家のトイレから突然現れた女子高生の幽霊のぞみ。彼女は同級生の六郎に思いのたけを伝えられぬまま死んでしまったのだ。どうしても六郎君に伝えたい。しかし、康子には見えても六郎には見えないのぞみの姿。意を決した康子は、のぞみに体を乗り移させる。そして‥。
『たまもの』『かえるのうた』など成人映画で表現した独特な世界観が絶賛を浴びたいまおかしんじ監督が過去に書き下ろした戯曲ベースに、いまおか監督らしいファンタジックな世界観そのままに映画化しました。
監督・脚本・編集:いまおかしんじ/出演:春野さくら・白井みなみ・豊川智大・深谷京祐・姑山武司・林下友昭・茅野雅生・鈴木拓

以前id:yukazo_k/さんが、「いちばん好きな映画監督はいまおかしんじ」。と発言していたので、観なくちゃリストにいれていたいまおか監督作品。この映画には、正直そんなにパワーはないと思うのだけれど、見ているうちに可愛く思えてくるヒロインだとか、しあわせな開放感にあふれたエンディングとか、馬鹿なことをまじめにわいわいやる可笑しみだとか、あたたかい視点で構成された世界がとても好かった(と書くと「青春H」ぽくないけど。でも終盤のエッチシーンはなくてもよかったよ‥)。ほかの映画も観たいな*1。観たいといえば、「青春H」シリーズのもう一本、「making of LOVE古澤健監督)」も観なくちゃだったのに、そう思った翌日に上映終了ではげしく後悔。観なくちゃと思ったのは、乙友が絶賛してたのと、この日のトークショーでの古澤監督の様子が、あまりに不審おもしろかったので。

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【いまおか監督×古澤監督トークショー わたくし的ハイライト】
ほぼワンシーンの撮影なので、メリハリをつけるのに苦労談いろいろ。ワンシーン舞台となる主人公の部屋がチーフプロデューサー(だったかな?とにかくスタッフの方)の自宅のため、夜の撮影は家に帰って来ちゃう奥さんとの攻防だったとか。ガランとして見える部屋の背後にはスタッフがびっしりいるんだよ、とか、予算を低くおさめるために食事はカレーをいっぱい作ったり、そのカレー作りの手際が悪くて監督が怒ったり‥。
淡々として見えても、映画作りはいろいろな戦いなんだな‥!(でもたのしそうだな!)
幽霊のコスチュームが制服なことから「いまおか監督は制服になにか思い入れがあるのですか?」と聞かれ、「そういうフェチっ気はないんだよー。でも一時カバンに制服入れてたな。夜、女の子に着てもらうために」。それって立派なフェチではないのか‥?それに対して、僕は熟女好きという古澤監督。熟女っていくつくらい?と聞かれ、「30(歳)から50(歳)ですかねー」。30(歳)で熟女かよ!客席からタオルを投げたい気分のわたし。「僕がまだ独身のころ‥27〜28(歳)だったかな?鶯谷で50代の方と一戦交えたことありますよ。終わったあとに、孫がいるのよって言われたときはヒいたなー」。
淡々として見えても、人間の業って深いんだな‥!(でもたのしそうだな‥)

*1:yukazoさんがすきなのは『かえるのうた』らしいので、まずがそれを観なくちゃいけないんだろうけど、映画館で観たいの‥