ウィリアム・モリス展 @うらわ美術館

−ステンドグラス・テキスタイル・壁紙 デザイン

19世紀後半のイギリスで、多彩な才能を発揮させたウィリアム・モリス(1834-96)。モリスは、工芸家、画家、詩人、出版人、そして社会主義思想家として幅広く活躍しました。中でも室内装飾の総合的なデザインを通して「生活の芸術化」を図った彼は、モダン・デザインの父、あるいは先駆と呼ばれています。産業革命後の急激な近代化・工業化の中で、自然の草花や鳥をモチーフに流麗な線と美しい色彩で構成された彼のデザインは、当時の人々の目を大いに楽しませたことでしょう。また、丁寧な手仕事と美しいデザインによって生み出された作品は、100年以上たった今も輝きを失わず新鮮です。
本展は、友人の画家バーン=ジョーンズらとの共同作業によるステンドグラスの、フィルムによる再現約20点をはじめ、モリスや彼の仲間達のデザインによる壁紙、テキスタイルやタイル、本等、約90点で構成されます。中でも初期の重要な仕事であるステンドグラスはこれまであまり紹介されることがありませんでした。建築空間から卓上ランプまで、生活の隅々にまで渡るモリスの世界をお楽しみ下さい。(→☆HP

壁紙やテキスタイルの洗練されたデザインや、豪華な装丁の本、アールデコ調のランプなど見てうっとりと至福のひととき。イギリス万歳‥!
予想外に(奇妙に)素敵だったのは、ステンドグラスのお部屋。いや、ステンドグラスじゃないんだけど。フィルムによる再現は、実物のなんぶんのいちの大きさなんだろう。ライトでてらされたキッチュな光には信仰心も厳粛さもなく、幻想的というにはあまりにチープなんだけど。すべての壁に光があたるなんて自然にはありえない現象のおかげで、不思議な夢のような空間になっていた。

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ウィリアム・モリスの絵をはじめて知ったのは小学校高学年のとき。輸入雑貨屋さんでみつけた絵葉書の、奇妙な美しさ。西洋とも東洋ともつかない不思議な曼荼羅に魅せられた。そう、付き合いは長いのだ。恥ずかしがらずに長靴はかなきゃ。

(ほんとは恥ずかしいからではなく、柄が激しすぎて洋服を選ぶのではかないんだけど)