パーマネント野ばら(2010)/春との旅(2010) @ギンレイホール

パーマネント野ばら [DVD]

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アッパーにダメな小池栄子、ダウナーに駄目‥な池脇千鶴(蟻地獄っぷりがすごい。演技うますぎてこわい)、所在なさげに深い闇を抱きしめる菅野美穂。他人のだめなところはよくわかるのに自分のことはどうにもできない業のふかさがせつない。みんなしあわせになりたいだけなのに。みんなのしあわせを願ってるだけなのに。菅野美穂の恋する演技のなまめかしさがすごくて、なんと色っぽい女優さんなんだと感心した。恋人*1といるときの視線や触れてほしいと願う表情の切なさは、映画を観終わったあとにしみてきて、どうにも泣いてしまいそうな気持ちになった(スタイリッシュなパンチパーマ夏木マリ最強説をとなえることでこらえた)。やさしい世界でかなり好き。

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春との旅【DVD】

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ああ、また少女にいろいろ背負わせて!母性を求めるまえに父性を見せてくれ。観終わった直後はうんざりした気分だったのだけど、でも、もし、この設定の男女が逆だったら。おばあちゃんと若い孫男子の旅だったら。意外とあっさり受け入れそうな自分に気付いてはげしく動揺。‥みんな夢がみたいんだもんねえ。仕方がないか‥(ユルス)。話の着地はともかく、演技派ぞろいで(ちょっとくどいけれど)見応えあるし、とぼとぼ走る電車には詩情があるし、なにより鳴子でロケしているし(はじめは、「あれ?鳴子っぽい*2」って思って、でもすぐに、「温泉地を見ると鳴子を思い出すんだから。わたしってバカだな」って自分をたしなめて、でも背景に目をこらすと「ようこそ 鳴子温泉卿へ」の文字があって。ひとりガッツポーズ。こけしの存在感はうすいけど、車止めが映る)。いいものを見た感は強い。(ガニマタはどうかと思うが。なんの役作り?素朴さ?素朴な少女はガニマタなの??)

*1:江口洋介というのがなんだが(よさがわからない)。総じてこの映画の男性陣がだいぶん謎だわ(宇崎竜童以外)。女優さんを目立たすためかしら。でも魅力的な女優陣とバランスが悪いんだよなあ

*2:そういえば鳴子のこけしまつり、今年ははりぼてこけしが復活したんですってね。見たかったー‥!