愛は命の花である

いまだかつてこんなに陸奥A子のことを考え続けた日々があっただろうか。否、ない。そう即答できるほど、陸奥A子のことを考え続けたここ数か月。
自分でも、2016年とは思えない。でも2016年に実際こうして陸奥A子関連の展示が目白押しっておかしくないですか?なぜ自分以外の人が平常心でいられるのかわからない。
そもそも「陸奥A子」というペンネームが、こどもの頃はこわかった。名前だけ見て、きっとすごくアバンギャルドな作家さんにちがいない!って予想して、ふんわりしたおとめちっくな作品に出会う衝撃。でも、大人になった今ならわかる。ふんわりしたおとめちっくがいちばんアバンギャルドなんだよう。実際、「太宰治のファンだから、陸奥という単語に憧れがあって」「Aは、アルファベットのいちばん最初の文字だから」「わたしのペンネームって目立つんです」。情念とクールな分析が同居して、いきなり名が作風を表していてすごいと思う。
うまく言えないけど、平成の表現はマイルド。

(↑ 昭和の。りぼんマスコットコミックスより)


(↑ 平成の。ベストセレクションセブンティーズより)

結局3冊買ったのですが、このセブンティーズがいちばん読み応えあった。特別収録作品『れもんばばろあ色の夢』のおかげかしら。でもでもでも、『マジカルミステリー・インスタントコーヒー』未収録のこと許したわけじゃないんだから。