アズ50年展〜漫画同人の半世紀〜 @米沢嘉博記念図書館

アズ50年展〜漫画同人の半世紀〜 @米沢嘉博記念図書館 

九州を中心に活動し続けてきたマンガ同人誌グループ「アズ漫画研究会」。コミックマーケット準備会代表を長年務め、当館コレクションを旧蔵していた故・米沢嘉博氏もメンバーでした。1966年秋から50年続いているこの研究会の、草創期から現在まで――。「肉筆回覧誌」「ガリ版」「湿式コピー(青焼き)」「乾式コピー」を経て「オフセット印刷」へと、ひとつの漫画研究会のあゆみを通して、同人誌の歴史の全貌に迫ります。文月今日子陸奥A子など、アズに所属するプロ作家の代表作原画や若手の活躍などを紹介します。

明治大学にある米沢嘉博記念図書館の展示室で行われている『アズ50年展』。こちらにも陸奥A子の原画が展示されていると聞きいそいそ伺ってまいりました(これは、翌日の7/29に行きました)。
アズというのは北九州市付近を母体とするマンガ同人グループなのですが、一時期陸奥A子が活動参加されていたことくらいしか知らなかったので陸奥A子の展示だけ‥と思っていたのですがやはり50年も続くというのはものすごいことで。活動歴史を興味深く読んでは感動したりして。よい展示でした。

50年前、神話期と名付けられた頃は、まだ会員も中学生だしコピーも青焼きもままならないし、原稿を1冊に綴じたものを郵便で回覧。するしかないのです。大好きだった雑誌と決別するために、その雑誌を焼いた灰を編集部に送るとか(今は過激にうつりますが、当時は普通でした、みたいな注釈あり。わはは)、学生運動ムーブメント真っ只中だな青春期を経て、結婚して子育てに忙しくなり、さらには親の介護で同人活動どころではなくなり(どんどんプロデビューしてしまったのも同人的にはきびしかったりしないのかなあ?職業になってしまったら同人に帰ってこなさそうな気がするけど、そんなことはないのかしらん)、‥そんな期間を一生懸命守られた会員さんが居て、二世会員やその周囲の人たち?の加入で再び活動が活発化して、こんどは世界に向けて発信したりの快進撃‥。ってドラマチック!事実は小説より奇なりというか。尊いというか。

こんな熱い展示のなか、陸奥A子展示コーナーの解説は、「陸奥A子さんは、正式なアズ会員になった記憶はないそうです」と一見素っ気ない文章で始まるのですが、これは真剣に活動したり会を守られた会員さんにエンリョしてるんだろうなあ。なんだかまぶしいよ同人‥!

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前置きが長くてすみません。
例によって第1期の展示は見逃したのですが、2期の陸奥先生の原画展示は、『こんぺい荘のフランソワ』と『かるくかすかなる音にて』の2点でした(これも8/1で終了。現在3期は、『マジカルミステリー・インスタントコーヒー』のカラー原画2点が展示されています。これも必見かと)。カラー原画2点なので、こまかいところまで集中して見られてありがたいです。撮影可なのもありがたい。

ってあれ‥。この‥。『かるくかすかなる音にて』、淡い水色に白抜きの文字って‥ いかにも印刷でつぶれそうだけど‥「SUKI‥」「KOI WA MIZUIRO」‥こんなことが描いてあったんだ‥?ふぅん‥。水色に白い文字って単行本の白黒印刷では確認できないよな〜?家に帰ってから手元のコミックスで見てみたら、もののみごとに読み取れず。
A子タン!A子タンったら!このときすでに82年で、単行本収録時には印刷できないことわかっていると思うんだけど、雑誌掲載時にきれいに届けばよかったのかなあ。
 
陸奥A子の漫画がおとめちっくだったのは。陸奥A子が乙女だったから。って結論づけたら乱暴かしら。なんか感じ入ってしまった
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おまけ。雑誌掲載時はキャッチコピーで文字が見えにくかったっぽい。おおう‥。乙女心、踏みにじってくれるなあ。