ふろくファンルーム:デイトバッグ論争

1977年10月号りぼんの第二ふろく*1、その名も、陸奥A子のデイトバッグ。

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大きくて じょうぶで、A子ちゃまのイラストがキマッている、

おでかけバッグは、オンナのコだったら手放せないのだ!

厚紙でつくるトランク型ボックス(紙箱)なんだけど、持ち手の部分を皮っぽく表現したり、留め具を付けたり、なによりこのかわゆいイラストに「デイトバッグ」というネーミング‥!

自分は77年にりぼんを読める年齢ではなかったため、このバッグを手にしたのは平成後期だったのですが、うお~、なんてかわいいふろく文化が‥!という感動に足をバタバタさせてしまいました。

このデイトバッグ、りぼん誌上で2か月にわたって意見交換が行われ(2か月続くのは地味に、かなり異例な出来事です)それもすごくかわいらしかったので引用させてください。

 

♡ぶへー、A子ちゃまのデイトバッグ、すごくいーじゃないの。だけど、デイトバッグといっても、デイトの相手がいなきゃしょーがない。A子ちゃま、私とデイトして!(A子を愛するオカマ)

 

♡ヒゲちょぼめ、よく耳くそほじくってきけ!いや、目ヤニをとって、よく読め!

陸奥先生のデイトバッグ、とっても楽しみにしていたのだ。それなのに…ウック、側面がずれてのりづけされていたのだ。

これではいくらやってもできないものだから、側面をそっとはがして、くっつけなおそうとしたのに、なんとビリッとやぶけてしまった。あ~、神さま!

ヒゲちゃぼ記者よ、ふろくをつける時は、よく注意しろ!(埼玉のクミちゃん)

 

♡はじめまして。私はりぼんファンクラブの会長えまちゃんです。私は、文句をひとつ…。

りぼんの愛読者は小中学生ばかりじゃないのですよね。だから、10月号のバッグのような高校生には持って歩けない感じのものはつけないでほしいの…。絵はかわゆいのに。これが、当クラブ全員46名の一致した意見でした。(ジュリアーノ・ジェンマ レスリーの夫)

 

・・・

 

デイトバッグはかなりの反響をよびまして、ヒゲちょぼ記者としては喜んでいるのですが、やはり高校生以上の方からは持ち歩けないという意見がいくつかありました。

ふろくは読者全員が喜んでくれるのが理想なんですが、やはり、すべての品物がそうなるとはかぎりません。時々は、ご勘弁いただきたいと思うのですが。

それから、クミちゃんみたいに、不良品のふろくがついていた場合は、編集部におくってくれませんか。送料を添えて、ちゃんとしたものをお届けしますから。ほんとにクミちゃんには、申し訳ありませんでした。(ヒゲちょぼ)

 

(1977年11月号「ふろくファンルーム」)

 

♡初めておたよりします。11月号、ジュリアーノ・ジェンマ レスリーの夫さんにひとこと。たしかに、A子サンのデイトバッグは高校生以上の人が持ってあるけるものではありません。けれどっ!!かりにもあなたは、りぼんファンクラブの会員さんなんでしょ?あれはただ、バッグとしてだけしか使えないのでしょーか!? 私なんか、ハンカチ入れにしていて、毎朝、あのかわいいバッグからハンカチを取り出すのが、たのしみなんだ。いろいろなふろくを工夫して、自分なりに楽しんでこそ、りぼんふろくファン!わたしのいってることはまちがっているかえ!? え、会長さん。(乱文お許し下さい)(花の某女子大1年生)(1977年12月号)

 

・・・

 

ちょっと、このレターはきつかったかしら?ほかにも、同様のレターが、たくさんの高校、大学の方から寄せられたもので、代表として紹介しました。ほかに、小さな方からもレターがきまして。小中学生がたくさんいることも考えて、全部おとなっぽいものにしろという意見はどうも…というコトでした。

結局は、小学生から大学生まで同時に喜んでくれるふろくが理想なんですが、なかなかムズカシイのです。来年2月号に、じつは、ひそかにそれを狙っている豪華ふろくをつける予定なんですが、さあどうなるか!?(リョーコ)

 

(1977年12月号「ふろくファンルーム」)

 

投稿されたかたたちはもう忘れてしまっているかもしれないけれど。ふろくを愛する心はわたしが勝手に時をこえて受け取った。*2

それにしても、かわいすぎて罪作り‥。

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いつか豪気な性格になって、大事に保存してるふろくをバリバリ実用しちゃうのが夢です‥。

 

 

*1:ずっと「第一ふろく」かと思ってた‥。砂の城・ファンシーノートが第一ふろくだったのね。ファンシーノート。アイビーノートとは路線分けしていたのも興味深い

*2:迷惑ですか