キセル マジックアワーツアー @渋谷CLUB QUATTRO

ひさしぶり!のキセルワンマン。「マジックアワーツアー」ということで、1月にでた新譜とその周辺の歌で構成。めずらしくドラムが入ってバンド編成。バンド編成で映像なしのワンマンは(東京では?)はじめてらしい。意外‥でもないか。チケットがソールドアウトということで、人がたくさん。踊るお客さんだったら、動いてこなれて、隙間ができて見やすいらしい。帰りみち、立腹気味にそう話す人がいておかしかった。たしかにキセルのお客さんて、あんまり前に行きたがらない(自分もだけど)。人がたくさんで、乙友がふたりは来ているはずなのに会場で会えなかった。残念。
自分たちの音楽を「聴いてリアクションがとりにくい」と評していておかしかった。まあ、踊るわけでないからね。浮遊感と覚醒感のある音楽。お客さんのひとりひとりがきっと自分の宇宙のなかでトリップしたようになっているんだな、と思ったらなんか。音楽ってすごいな。音の力って、けっこうこわいな*1。バンド編成もよかったのだけど、兄弟二人で完成させた閉じ込めたようなステージが大好き*2。「あたたかい」とかノスタルジーとかプラスの感情だけでなく、ネガティブというかひねくれたというか、‥いろいろあきらめた上での決意。
「君の犬」についてのMCで、「お客さんから、‘わたしも犬飼ってました‥!’みたいに言われることがあるんですけど。‥そういうつもりじゃないのにな」とか、「ライブですごい泣いちゃう人とかいて。そんな暗い歌のつもりはないんだけど」とか言っていたのが可笑しかった(でも泣く)。すごく素敵なライブだったけど、「マジックアワー」中心だったので、ほかにも聴きたい歌が山盛りなので来月の追加公演がたのしみ。椅子もあるし!

【セットリスト】 1.マジックアワー 2.春の背中 3.手紙 4.サマーサン 5.枯木に花 6.同じ夢 7.四面道歌(細野晴臣カバー) 8.君の犬 9.イギリス海岸 10.眠る人 11.緑の日 12.写真 13.くちなしの丘(セルフカバー) 14.ビューティフルデイ / アンコール:1.ハナレバナレ 2.系図高田渡カバー) 3.ベガ アンコール2:春

*1:誉めてもけなしてもいない。ただひとりひとりが自分のなかのなにかと交信しているのか‥とか考えたら、その図が(ライブっていうものが)独特だなー‥ってこわくもあるなと思ったの

*2:兄のMCで、「キセルのセールスポイントについて考えていたんだけど‥。兄弟ってこと‥」というのがおかしかった。一人ひとりだったら相当弱い。他人同士でもやっぱり弱い。など。兄、弟をいじめすぎ。弟たしかに聞き取りにくい口調すぎ。でもそんな弟がだんだんかわいく見えてきた