実録連合赤軍 あさま山荘への道程

幾人かの信頼しているダイアラさんの感想が好評だったので、190分をしぶるKを説き伏せて鑑賞。客席の8割〜9割は埋まっていて、しかも40〜60代の姿が多かった。名画座の客層ともちがうし、ロードショーでこの客層って独特。上映前に、当時のニュース映像(?)が流れていて。うむうむ知らないことばかりだもんこういうのありがたいなあ、と思いながら。自分は知らないことが多すぎる‥。
映画は、長さはまったく気にならなかった。これくらいの長さがなくては全体像を伝えきれないという気持ちがよくわかった。もっと長くてもよかったと思う。しかし総括シーンのおぞましさったら。暴力行為もだけど、思想の、間違っているわけではないけどやはり間違っているおそろしさ、誰も口をはさめない鬼気迫る雰囲気(それがカリスマ性なのか‥)、この悪夢を作りだしたのは自分でもあるという逃げ場のなさ。見ていられなくて本気で映画館を出たくなった。実際行為としてはその場で最後まで観たけれど、魂の何割かはぬけだしていたように思う。すごくげんなりして怒りすらわいてきた。なぜ、ぼくたちの失敗(1972)の共有をここまで強いられなくてはいけないのか。などと思いながら、いつしか映画という枠をこえてぼんやり泣いていた。映画が終わってもずっと胸が苦しかった*1。映画のなかでは少年の叫びで総括されていたけれど。わたしのなかで総括されることはあるのだろうか。そんな資格も知識もないから、ただぼんやり胸に喉に重いものをのせられたようになるだけなのだろうな。映画を見終わって、KがTシャツを買うあいだ(K、映画満足したらしい)(しかし、着るのか‥ killのかKよ‥)ロビーでぼんやり立っていたら、20代前半と思しきカップルの女子が、「なにが革命よ、ただの人殺しじゃない!なんで特別興業で2千円なのよ!」と憤りを彼氏にぶつけていてほほえましかった。(でも彼氏、憤りをぶつけられても困るだろうな。てかはじめの憤りとにばんめの憤りはまったくの別物であろう。彼氏、映画代おごってあげなさい)(ちなみにそう、当日料金は2千円。一日3回転しかできないとは言え2千円。事前に前売りを買っておいったほうがいいと思います)
真摯な映画なので観る側も気力がいります。わたしは二度と観れない気がする‥(でもいつか観ちゃうかも)*2

*1:この日は晩ご飯食べられなかった。わたしは連合赤軍のことばかり考えていたら食欲もなくなりやせるんじゃないだろうか?とフと思う

*2:「鬼畜大宴会」(←これは招待券をもらった。でも後半はほとんど目をそむけていた(スプラッタ映画です))も「光の雨」(←裕木奈江山本太郎が見たかった)も映画館で観た。観る気はあるのよ‥