@新文芸坐 特集「映画を通して社会を見る。」&「〜追悼 市川崑〜」
へんな映画観ちゃったなあ。しかも二本。名匠といえどもすべての作品が名作だなんて、ありえないものねえ。
自分内人気急上昇中の
仲代達矢が文芸作品の主役!とたのしみにしてたのだけど、仲代(呼び捨て)‥。表情がいちいちオーバーすぎだよ。でもどこをどうやりすぎているのか、冷静に見るとふつうな気もする。ただ単にこういう顔なだけ(顔自体は
夏目漱石に似ている)?でもその後出てきた
岡田茉莉子も相当やりすぎていたし、ほかの俳優さんもちょっと度を越えていたので、ユーモアのために過剰演技で統一したのだろうなあ。必要ないのに。もったいないことをした。オーバー演技ばかりですこし疲れてしまったけれど、TV画面で見るならこれくらいのほうがいいのかも。明治時代のセットは豪華で素敵だった。街並、一軒家や洋館や学校に、女優陣の着物姿!刺繍いっぱいの
半襟(ファンタスティック)!
島田陽子も眼の保養。
(この映画でネタバレというのもないと思うけど、いちおう断ります。以下物語の結末に触れます。→わたしは猫が死ぬとかなしいきもちになりすぎると思いました。ハフー‥)
- ::::::::::::::::::::::
「
太陽族」?をモデルにした、青春虚無映画(
石原慎太郎原作)。主演の
川口浩は大学生なんだけど、心は「17歳の地図」。父親の背中を見て「ああはなるまい」と思いつつ、父親から小遣いをせびりとったり、いっしょに馬鹿やっていた友達が堅気になってゆくのを見て、奇行に走ったり。成人男性のすることじゃないよーとイライラしてしまうのは、
川口浩がとにかく憎たらしく見えるから。たのしみにしていたヒロイン(?)の
若尾文子も、役に合ってない。
若尾文子に意義が見出せないなんて、ある意味有意義。この映画を見たあとで「吾輩〜」のことを考えると、よい映画だった気がしてくる。