美学校:ゲスト 小西康陽

今日のおやつは、おいしい堂の水羊羹。「これはほんとにおいしいよ(小)」「お茶よりコーヒーが合うよね(ヌ)」。ナニこの和気あいあい‥。意外なかんじがするけれど、ヌマ先生と小西さんは、20年ほど前から親交があるそう。一緒に句会をひらいたり*1、恵比寿のルノアールでまったりしたり。いわゆる旧知の仲。いいものだなあ。
おいしい堂(秩父)。そのダイナミックなパッケージング(厚紙でできた箱に、ビニル袋にはいった水羊羹が5ケ一緒に入っている)に、うひゃーと思いながら、ひとくち食べたらおいしーい!今まで食べた水羊羹のなかでいちばん美味しいと思う。ぽっくりほぐれるかたまり具合と、あっさりやさしい自然な甘さ。おいしい堂‥。おそろしい子!そしてこんなおいしい水羊羹をおすすめする、小西さん‥。おそろしい人!

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しかし小西さん。といえばexピチカートファイヴのリーダーなのだけど。わたしはピチカートのライブ、ボーカルが田島さんだったときに一度拝見したきりで*2(かっこよかった!*3)、あまり熱心なリスナーではなかったです。そういえば‥「今日を機にピチカート聴いてみます!」という乙女が数名居たけれど。‥若いのね‥(目をそらす)。さらにそういえば、ヴェルカソルトのレコードを、小学生のときに買ったという子がいたな。しょ、小学生。わたしが小学生のころ買ったレコードって、伊藤つかさイモ欽トリオ(ザ・昭和)。ああどんどん本題からずれる。
「親を安心させるための就職とか結婚とか、しないほうがいいよ。心配させてあげるのも親孝行。安心させるとポックリいっちゃうから」「恋は病気のようなもの」「よい恋愛は熱量が高く、ちゃんと終わることが出来るもの。自分ひとり高熱みたいな‥。片思いはよい恋愛」「自分のなかに女性的な部分があるとは思わないけど。でもたぶん、心にオンナノコがいる」「憧れの女の子には、チャーミングで魅力的であってほしい。ビジュアル的にはスカートをはいていて‥。いかにも、というかんじで絵になっていてほしい」。‥この‘絵になるかんじを求めるもの’が、POP感なのだろうな。ちなみにピチカートの曲で「うまく出来た!」という自信作(の一部)としては、‘TWIGGY TWIGGY’(←でもこれはアレンジだけなんだよね:談)‘ハッピー・サッド’(←95点!:談)などを挙げられていました。わたしは「悲しい歌」が好きなんだけど、「かなしくなる歌はもう封印」と言っていてガーン。
(ちなみに今日のヌマ先生語録。「欲しいものが手に入るかはわからないけれど、必要なものは手に入る」。)
印象的だったのは、小西さんの、わたしたち生徒ひとりひとりに対する紳士的な振る舞い。ひとりひとりの名前を呼び話し掛け、向き合ってコミュニケーションをとる徹底ぶり。みなを楽しませるための心配りがすごいなと、プロフェッショナルだと思いました。そういえばDJなどするときの心構えとして、「みんなが知らないかっこいい曲とかはもう考えなくて。なるだけ誰でも知っていて、みんなが楽しめるような曲をかけるようにしている。‥みんなが知ってる曲っていうとバカみたいだけど‥。聞いたことあるけど曲名を知らないとか、聴いたことある声だけどこの歌なに?だとか。そういうの」。みんなを楽しませつつ、自分も楽しむ。大人だなあ、かっこいいなあ。サービス精神って、余裕がないと生まれないよね。

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音楽について、「作家と商品とのあいだのジレンマはありますか」的な質問に、「商品の発注がくるって、お金になるって、うれしいことだよ!」と答えたり、音楽はアンサンブル、と女性ボーカルものと男性ボーカルものの違いをわかりやすーく説明してくださったり(ほんとにわかりやすかったので、頭の良い人なんだなーとほれぼれした)、なんというか実にクレバーな方でした。来月から新しいバンドを始めるそうで(ピアノ弾いてます!とのこと)、なんというかいきいきさがみなぎっていた。

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しかしこの日の個人的ハイライトは。
乙美の授業はカメラ自由なので、トーク中にカメラをかまえる生徒さんがけっこういます。この日も‘憧れの小西さん‥!’みたいにシャッターを切る姿があちこちで見られたのだけれど。たぶん、ちょうど小西さんから声をかけやすい位置にいたのであろう生徒さんが、トーク中に急に小西さんから「写真撮るのやめて!」と注意されて。一瞬教室が気まずーくなりました。何故、授業前の打ち合わせで確認しなかったのだろう‥。わたしはこの生徒さんが非常に気の毒で。運の悪さってそういうものかもしれないけれど、自分が叱られたような気分になってしょげていたら、授業が終わったあと、小西さん自らこの生徒さんのところに行って、「さっきはきつい言い方してごめん」的な詫びをいれ(離れた場所から見ていたため推測ですが)、最終的にはツーショット撮影をしていた。小西さん、いい人やん‥!*4

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余談。この日は、「自己紹介がわりに好きな曲が入っているCDもしくはレコードを持参すること」というおふれがありました。時間が足りなくてこのコーナーはなくなったのだけど(そのためヴェルカソルトのレコード話が浮上)(アンド銀杏ボーイズ(オトコマエやん!)のCD貸してもらった。ありがちょう!)。せっかくだからわたしが用意したCDを。

me and my Burt

me and my Burt

  • アーティスト: ヨンジン,ノーマン・ブレイク,ユージン・ケリー,スチュアート・キッド
  • 出版社/メーカー: ドリームスヴィル・レコード
  • 発売日: 2006/09/16
  • メディア: CD
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バート・バカラックのカバーアルバム。「雨にぬれても」の歌がとにかく!好きで。オリジナルのBJトーマスのでもいいのだけれど、それじゃあつまらないのと、ボーカルが韓国女子&バックの演奏とプロデュースががグラスゴーのバンド(っていうか大好きなBMX BANDITS!)というクロスオーバーな幸福感がたまらない。(でもこのCDを「自己紹介」に使うと、すごい善人みたいだよ‥。一瞬躊躇するわたしの自意識はたちわるい)

*1:誕生日 ひとり寂しく 出前寿司(ヌ)

*2:とんだカンチガイでした。野宮さんのボーカルでワンマン1回ツーマン1回は少なくても観てる←古い日記が出てきたの‥

*3:しかしオリジナルラヴは、ソウルフルすぎて好きになれなかった。かっこよさと好きは特に比例しない

*4:でもだったら最初にあんなきつい口調で言わなくてもいいのに‥。もやもや‥。なににもやもやするかというと、この場面を見なかったら、わたし小西さんのこと、「ちょっと怖いとこあるな‥」って思ったままじゃないですか。たまたま授業が終わったあとも教室にいたから、「ああ、むしろりっぱな人だ!自分から謝罪に行くなんてめったにできない!」と思えるだけで。なんかそういうのがちょっとなー。もやっとしちゃうよ。たとえて言うなら‥不良が誰も見ていないところで捨て猫を可愛がるようなの、禁止。ちょっとちがうか。かなりちがうか‥。ツンデレ禁止?もっとちがうか