喜劇 とんかつ一代(1963) @新文芸坐

〜検証・日本映画(4) 映画作家川島雄三 :笑いに秘められる哀しみとニヒル
タイトルのあたまに「喜劇」を名乗ったとおり、コテコテのここまでか!のパワフルコメディ。「♪とんかつを食えなくなったら死んでしまいたい♪」で始まり、「♪とんかつの油のにじむ接吻をしようよ♪」で終わる、どうかしている94分。どうかしながら歌ってハッピー。どうかしているしあわせな映画。新文芸坐でこんなにたくさんの笑い声聞いたのハジメテ。いっしょに笑いながらも、「このひとたち、普段はなに観て笑ってるんだろ‥」といちまつの疑問。
全員が狂言まわしかという豪華出演者(久しぶりに加東大介を見てすこしときめいた)(岡田真澄のことはふつうにフランス人と思い見過ごした←Kもわたしも)のなか、わたしのツボだったのは「クロレラ研究家」の三木のり平クロレラ‥(夢が広がる‥無限の宇宙さ)。怪しい研究家のヒザには愛妻によるウサギのアップリケ。かわゆい。
かわゆいといえばこの映画のなかの女性陣は皆お洒落。とんかつ屋のおかみさん、淡島千景の木綿?の着物にエプロンをあわせた昭和キュートなおくさん姿はぜひまねしたいし、半バカのお嬢さん(ひどい)、横山道代の洋装は、プチゴージャスでケイタマルヤマちっく。そしてちゃっかりものの芸者さん、水谷良重は、「りんごちゃん」という名前にあわせて、常に(?)リンゴ柄の帯をしめていて。リンゴ柄の帯かわいい。何回かでてくるなか、何度かは同じ帯を着まわしてるのかな?何種類でてきたかな?ビデオ借りてきてじっくり見たい。じっくり見たいといえば終わりのほう、りんごちゃんが果物の名前のついたお友達と集まる場面、りんごちゃんを筆頭に、マロンちゃん・バナナちゃん・イチゴちゃん・みかんちゃん・キャベツ姐さん?(もっといたけど名前忘れた)がズラリ集まるところ。さーっとしか映らなかったけれど、マロンちゃんもイチゴちゃんも、名前の帯しめてたし、キャベツ姐さんはキミドリ色の着物着てたし、実ににぎやかに眼福。やっぱりビデオ借りてこようかなー(と思ったらソフト化されてない?がーん‥)。
帰り道、自分だったらなにを名乗ってどんな着物着ようーと妄想してみた。キノコちゃん。かわいい!けどキノコ刺繍の帯‥もしあったとしても椎茸とか‥?ちょう地味。渋すぎる。かといって洋布で作ったら(かわいいけれど)芸者さんぽくないし。泣く泣く却下。マロンちゃん(映画にもいたけど)も地味だなー。桃‥。ピーチちゃん‥。完全に名前負けだ(ノングラマラス宣言)。うーん‥洋ナシ‥シトロンちゃんで手を打つか‥。