江戸の悪太郎(1939)/すっ飛び駕(1952)

マキノ雅弘生誕百年記念上映会 @新文芸坐
日曜日の二本立てはあまりピンとこなくて、月曜日の「鴛鴦歌合戦」でとり戻したものの、でもその面白さは知っていたから、その上は、先はあるのか?どうなんだろう、と自信(?)をなくしていたのだけれど。今日の映画も、筋金入りの時代劇って‥。楽しめるかしら、と及び腰だったのだけれど。きっちりしっかりおもしろかったのでよかった。映画に対してあまり知識がないことを自認してはいるけど、だからといってそこで義務感とか生まれたらいやなので(勉強のために見るかじゃなくて、おもしろいから見る、そういうスタンスでいたいので)、人知れずクヨクヨしてたのだけれど、杞憂に終わってひと安心。すっきり!
ちなみにもうひとつ人知れずクヨクヨしていることは、こういう渋い特集上映の客層って、初老の殿方が多く、客層をひとことで言うと「無彩色」なんだけど、そこに妙に馴染んでしまう自分に危機感、持ってます。「掃き溜めに鶴」になりたいのに、掃き溜めに同化、している自分。でもだからといっておめかしして行く気力はわかない‥(虚しさが増しそう)。日々是煩悩。

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江戸の悪太郎 [DVD]

江戸の悪太郎 [DVD]

「鴛鴦歌合戦」と同じ年に作られたせいもあるのか、キャストが重なっていることもあり、親しみを持って観ることができた。フィルムが劣化していて声が聞き取れなかったり、画像が乱れたりと時代感があるのだけれど、映画に古くささは感じない。はっとするほどかっこいい構図に驚かされたりして。お金持ちのお嬢さんがいやな縁談に反抗して少年として振舞うなんて無茶さはむしろ好物だし。キュートすぎる押しかけ女房に脱帽。

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すっ飛び駕 [DVD] COS-034

すっ飛び駕 [DVD] COS-034

「セクシー入道怪傑ス」(わたしのあらすじ語りには情緒がなさすぎる)。主役がセクシー入道という設定に、まず度肝を抜かれました。コテコテの時代劇を満喫している(とはいえいろんな約束ごとがわからないので、もっと時代劇知識が深いと面白さは倍増なんだろうな)自分にびっくり。でもたぶん、時代劇がおもしろいというより、この映画がおもしろいのだろう。縦糸横糸びっしり編みこまれた人間ドラマにきもちよくうならされた。いつか時代劇知識が深まったころ、また観てうなりたい。