鉄人28号 @天王州銀河劇場

チケットをいただいたのでありがたく観劇。チケットをありがたくいただいたものの、世界の押井に関する知識は皆無(子供の頃TVで「うる星やつらビューティフルドリーマー」を見たくらい‥)*1。誰がてがけるにしろはじめての舞台演出なんだから、そんなに期待してはいかんだろう。チラシに書かれた「宝塚風レビューにしたい」の発言にも一抹の不安。一緒に行く友達からは、「きっと難解なんじゃないかな。期待するなというよりも、覚悟したほうがいいかもしれない」とアドバイス。なるほど肝に銘じます。
(まだしばらく公演が続くので以下たたみます)
期待値が低かったせいもあり、とても楽しめた。なんといっても舞台中央の、あの大きい鉄人!鉄人!アニメを知らない世代のわたしにも、じゅうぶん感動できる鉄人。最後動いたときにはふつうにこうふんした鉄人。物語もわかりやすかった。立ち喰い師がでてきたときには、「みんながみんな、押井マニアと思うなよ」と思ったけれど、元ネタがわかれば楽しさが増すというだけで、わからなくても問題はないレベル(内輪受けにはなってない)(でも立ち喰い師の存在を知らなかった友人は、「ナニかと思った」と苦々しげだった)。
しかしなにより感動したのは、15歳の少年、正太郎くんを演じる南果歩の美しさ。半ズボンにアーガイルのハイソックス、華奢な身体で「正義は科学〜♪」とややたどたどしく歌う(歌唱力はあまりない。だがそこがいい)姿のなまめかしさったら!エロティック!眼福!いいもの見たー。しかし南果歩が2役演じるうちのもうひとつの姿、立ち喰い師お銀(トレンチコートを着たハードボイルドな女性)役のときは、同一人物かと思うくらい輝きが感じられなかったのはどういうことだ(正太郎を輝かせるための役作り?)。
この2役について友達と語ってみたところ、(以下ネタバレ)(これからお芝居を観る人は読まないほうがいいです、というかお芝居を観てから、どう思ったか聞かせてください)(ラストシーンに触れます)。ラストシーンの南果歩(トレンチコートを着たお銀の姿)は、正太郎の未来の姿なのかしらん。
友人説:犬走も「少年の純粋なこころに鉄のからだ」と言うばかりで「少年の体」については触れなかったし、敷島博士のことを好きだったわけだし、もとから女性、もしくはメンタルは女性だったのではないか。
わたし説:「純真無垢は、罪である」なんてかっこいいキャッチコピーをつけておいて、「正義と悪について考えてわからなくなった主人公が失踪したまま終わり」ではふがいなさすぎる。「正義と悪について考えてよくわからなかったので、では正義も悪も関係なく自分らしく生きようと思い女として生きていくことにした正太郎」のほうがずっと骨があって好感もてる。
でも実のところ、ラストはただの狂言回し的にでてきたお銀が正太郎を代弁(ああややこしい)という気がします。

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で、「どんなお芝居だった?」。簡潔にまとめると、「押井守鉄人28号を創った!」「そしてその鉄人はとてもかっこいい!」。そういうお芝居でした。でもいくら鉄人のセットが豪華とはいえ、S席11,000円は高いよなー。この値段をだしてたら、もすこし点数辛くなりそう。

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余談。ほんとはチケットをもらったとき、Kと行こうと思っていた(Kもダイアモンド☆ユカイが見たいと←100%好奇心)。Kの都合が悪くなり、急遽友人に連絡して同行してもらうことにしたのだけれど。はじめにYちゃんにメールすると、「ざんねん!行きたいけれど、その日透視リーディングの予約いれちゃった!」。透視‥リーディング‥?(オーラ診断みたいなのだった。知人の紹介で千円くらいでみてもらえるらしい) 次にMちゃんにメールすると、「行きたい!だって○○くんや△△くんが出てるもの!」。○○くんも△△くんも、わたしにはまだ識別不可能の若手俳優*2。Mちゃんたら、知ってはいたけどマニアック。わたしのともだちって変わってるなー。他人事のようにそう思った出来事。

*1:ダイアモンド☆ユカイが見たくて。←100%好奇心。「ザ・ダイアモンド☆ユカイ」という役でよかったです

*2:わたしにはさいごまで識別できなかったけれど、若手俳優はそれぞれ何役がかけもちしていたのでお目当ての俳優さんはでずっぱりでなかなかたのしめたそう。喜んでもらえたならそれはなにより