赤い風船(1957)/ホウ・シャオシェンのレッドバルーン(2007) @早稲田松竹

うつくしい空は水色。ふわふわただよう赤い風船。それを見るだけでわくわくするのはどうしてだろう。泣けてしまうのはなぜだろう。子供のとき大好きだった絵本を思い出したのだけれど、たぶんあの絵本を描いた人も、この映画を見て感動したのだと思う。おさなごころと美のスタンダード。言葉って、必要ないところには必要ないのね。ジュリエット・ビノシュ演じるシングルマザーがピリピリし過ぎで観ていてつらかった。風船どころじゃないよの気持ち。働く女としての同族嫌悪かも知れない。エンディングの歌と映像、たかい空はひたすらやさしくて心に沁みて、ここだけは救われる気持ちがしたのだけれど。