おたる水族館

ここへ来るのは二度目(といっても前回から十年近く経っているため、あまり記憶なし)。すごくひなびた印象があったけれど‥実際ひなびているけれど‥、それほどではなかった(どっちなんだ)(どっちかというと、そりゃあ、ひなびているよ。ウン)。コツメカワウソの展示(天井と床にトンネルがあって、いろいろな角度でたのしめる。んだけどトンネルが。手作り感あふれすぎ。いい味だしてて好きだけど)とか、凝ってるというか頑張ってるよ‥!好きだ!おたる!水族館!
ネズミイルカの水槽を見てたら、下半身からおかしなものが。ニューっとでてる‥と思ったら、やにわにそれを使って性交をはじめたのであわてた。かしこいかしこいと言われても、しょせん獣なのか‥ あかの他人が見ているまえで。その場にいあわしたことを悔やむ、かなりへこむほど*1の性交ぷりでした。そのあと気分をもりたてて、水族館の裏側が見られるという「バックヤードツアー」に参加。水槽を上から見たり、飼育部屋を見たり、おもしろかった。こういうおもしろい試みは旭山動物園の影響だろうなあ。感心しつつ、途中「かわうそのにおい」を嗅がされ、あまりのケダモノ臭にへこんだ。ネズミイルカの水槽の前を通りかかったとき、また性交を始めたら、今度は無垢な子供ちゃんもいるのにどうしよう!と心配したのだけど。実際まだオスは性器を出していたのだけど。飼育員さんが犬笛を吹くと、しゅるしゅる‥としまいこんだので、犬笛すごい!て感心した。
バックヤードツアーに満足したあと、イルカショーへ(Kがこういうの好きなんで。わたしはわりと平常心)。イルカショーを見たあと、海獣館へ。なにを隠そう、この水族館は、お魚より海獣が充実(と思う)。アザラシやトドにごはんの生魚をあげた。なぜ人は、お金を払って飼育員の仕事をしたがるのか。でも高いところからお魚を投げると、アザラシがしっかり口でキャッチしてくれるので楽しい。しかしうっかり年老いたアザラシの住む地域に近寄り、またしてもかなりのヘコみを‥。アザラシって歳をとると、眼を痛めやすいんでしょうか。でっかい黒目が赤くなっていて、痛ましいことしきり。動けないからそうなるのか、よく見ると背中に苔がびっしり。なんと物悲しい。そしてさらに。老人ホームのようなこの水槽に、若くして体をこわしたアザラシがまじっているんだけど、その名が「サダコ」(飼育プールのまえに紹介パネルがおいてある)‥。病気の娘にサダコて付けるたあどういう了見だ‥(サダコの年齢からして、あきらかに「リング/らせん」以降のネーミング)。ああでもわたしが知らないだけで、なにかユーモラスな由来でもあるのか、サダコという名前には。まあなんにしろ、目が真っ赤で背中が苔だらけのアザラシが、すごいいきおいで生魚を要求。もちろんサダコにお魚食べて欲しいよ。でもほかのアザラシも、みんな真っ赤な眼で生魚を要求(もはやかわいいどころか、脅しの形相で)。やってもやってもおいつかない!そもそもこんな小魚一匹で、アザラシの腹のたしにはなるのか‥いや、ならないだろう‥。なにこの徒労感。でもきっと、これこそが大自然。気力の疲労・消耗とともに、ものすごい充実感につつまれながら、水族館をあとにした。ここにはきっと、また来てしまう。

*1:Kは、「めったに見られないんじゃない?ラッキーだよ!」と喜んでいた。フーン、そう