痴人の愛(1960)

痴人の愛」は以前、増村版のを観て。ひとの情事って滑稽だな‥とみょうに感慨深く、さびしいようなきもちになったのだけど。今日見た木村恵吾(監督)版は、爽快でよかった。だって、譲治さん役が、船越英二なんだもん*1!どこか嘘みたいなところのある船越英二。苦悩する姿もなぜかユーモラスな船越英二。ナオミ(叶順子)に馬乗りされてしあわせそうな船越英二。なんてすてきなハッピーエンド。めでたしめでたし。よかった。
ところで、増村版の「痴人の愛」を観たときに印象深かったのは、隣の席に女装の男性が座ったこと(そしてわたしと笑いのツボがとても近かったこと‥)(→過去日記)。さて、わたしはこのあいだ、その人の姿をあるギャラリーで見ました(カワイイ系のアート。この日は女装してなかった)。まあ、どちらも山手線内の出来事だし、大雑把なくくりでまとめればしょせん文化系(?)、せまい世界の出来事で。たまたま相手が目立つからわたしの頭にインプットされてるだけで、こういうニアミスは日々おこっているんだろうなあ。‥いつか彼と友達になれる日が来るかもしれません*2

*1:ハジメは、「船越、ぜんぜん聖人君子に見えん‥」とか「そもそも女にもてそう」とか、思ったのだけど。でもなんか、船越のつかみどころのなさがナオミの不安をかきたてて浮気に走らせるんじゃ?とも思えて、説得力が増していた

*2:あー・でも、おそらくむこうの方はわたしの存在すら気付いていないでしょう。100%片思いか‥