カウリスマキ豪華3本立て しあわせのあかり @早稲田松竹

まだ観てなかった「街のあかり」*1に、今まで観たカウリスマキ映画のなかでいちばん好きな「コントラクト・キラー」、たのしくてビデオを買ってしまった(クアトロの来日ライブにも行ってしまった)「レニングラードカウボーイ・ゴー・アメリカ」。こんな豪華な3本立てがあるなんて(敗者3部作じゃないあたり)。早稲田松竹さんありがとう。

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そんなわけでハジメテ観た。さいきん忍者の心理戦(宗教の勧誘テクニック)を読んだばかりなので、五車の術(→☆)みたい‥なんて悪徳サイドで観た。そのせいか、主人公にスキがありすぎてイヤになった(彼は負け犬よ!という台詞に涙)。暗いきもち‥。人を不幸にするのは案外たやすいのかもしれない。ラストの光のほの明るさ、握り返した手を信じていいものか‥(悪徳サイドから見ると、ほんとにこう思う)。敗者3部作では「過去のない男」が好きだなあ。早起きがたたったのか&パンを食べたら満腹になって、途切れ途切れに眠ってしまった。映画館で観るの3度目だし、ビデオで2度観てるし、話のすじがわからなくなるわけじゃないのだけど、ふつうに目ェ開けて観ても「ヒヒヒようわからん」なので。途切れ途切れに観るとキツネにつままれた感が増しすぎる‥。この映画を観るために休日にやってきたのに。無念。やっぱりこの映画がいちばん好き。出演者に華があるというか。主役がひとめ見て主役なので安心できる。ヒロインが華やか(すぎる)なのもいい。カウリスマキの本道からはそれるのだろうけど、わたしはそれたところにいるカウリスマキが好きなのかも*2
でも実際、負けない秘訣というのは、闘いをやめないこと(終わらせないこと)だと思うので。あえて「敗者」だなんて定義を使うのも、主人公を「そりゃ負けるわー」という性格にするのもあんまし好きじゃない‥(街のあかり)(あーでも、「街のあかり」一本だけを観たら、もっと好意的に思えてそうだなー。ミニマム感を愛したりして)。でも敗者3部作を終えたカウリスマキが次どんな映画を撮るのかたのしみ。‥なんて労働者3部作も敗者3部作の手触りとあんまり変わらなかったなあ。うーむ。

*1:ギンレイに来るんじゃない?(ギンレイで見るのがいちばんお財布にやさしい)なんて思ってユーロスペースを見送った。同時上映と時間帯に難があり新文芸坐を見送った

*2:「白い花」も好きだし