特殊学園Q 〜あなた好みの(1969)/夢野久作の少女地獄(1977)〜 @シネマヴェーラ渋谷

あなた好みの [VHS]

のんきでおもしろかった。力がぬけているようで、こまかいところまで気を使って作られた良心的なラブコメ渥美マリってやっぱし安野モヨ子に似ている。庶民派美人。今だったらこうだくみのようなものか(なにひとつ漢字わからん)。

火星の女 (夢野久作の少女地獄) [DVD]

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チラシに、「夢野作品を映画化した中でも最高傑作との呼び名も高い」と紹介してあったので観たかったのだけど、あの、すみません。夢野久作は「ドグラマグラ」を挫折したのみで未読の作家でありました。これを機に短編から読んでみます‥。
そんなわけでまずわたしがに思ったのは、(夢野映画というより)、ワー双葉双―の歌世界みたい、でした‥*1。耽美乙女路線(好きです)。海の見える女学校、浪漫ポルノ的なセーラー服の着こなし*2、白い風船、気のふれてしまったお母さま、海の見える西洋墓地‥。陳腐にならず綺麗な絵になっている。物語が大人への復讐劇になると、いきなりホラー的展開になり、「こういうのって、さじ加減間違えると滑稽になるよな‥。どこでラインを超えるかな」と違った方向からドキドキ固唾をのんでこわがってしまった*3。ああ、もう、だいぶ破綻しちゃったなーととおい目になったところ、ラストは(エロはさみ) もはやSF(アンド発狂)。破綻しすぎて、清々しい。地獄だけれど清々しい。少女じゃないけどそれはべつにどうでもいい地獄。

*1:こう言って伝わるくらい双葉さんがメジャーだったらいいのにクヤシイワー

*2:ガーターで黒ストッキングをはく。下着は木綿ぽいタップパンツみたいな ‥ブルマ?

*3:わたしは逆さ吊で完全に超えたと思いましたが。そのまえの市電のあたりから、もう吹き出してもしかたなし、という雰囲気になっていた