おとうと(1960)・黒い十人の女(1961) @新文芸坐 〜追悼 市川崑〜
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銀残しという特殊な現像処理は、カラーなのに色が主張せず、記憶の底のような色合いで不思議な懐かしさ・美しさ。見たことないのに思い出のなかの風景みたい。原作を読んでいたので、おお丁寧に映像化しているなあと敬意を感じながら観ていたのだけれど。安易に涙で終わらせず、涙以上の余韻を残すラストに、水を浴びせられたような気持ち(こう来るのか‥)。
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ロビーに貼ってある公開当時のプレスシート(?)の「宣伝ポイント」がなんだかすごかった。
(宣伝ポイント:3) とにかく監督を売り、キャストを売り、題名を売るといったような、この一作で稼ぎまくるという情熱が必要でしょう。
具体的なノウハウ一切触れてなし。他人事ながらも途方に暮れるわたし。
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映画の内容とは関係ないのだけれど。「おとうと」の上映中、隣にすわっている女子(推定20代前半)が映画中の台詞と会話していた。「ああん?」「ハァー‥」「ふーん」等、酔っ払いの野次のよう。けっこうな大声。‥そんなにファンキーな人には見えなかったんだけどな。気になってチラリと目をやると、彼女は居眠り中‥しかも熟睡中?画面から大きな声が聞こえると、条件反射で返事をしてしまうらしい。要するに寝言。寝言かよ!寝言だと判明すると、おかしさがこみあげてきた。シリアスな場面なのに、つい彼女の寝言に注目してしまう。イカン映画に集中するために、彼女を起こしてしまおうかしら。そんなこと出来るわけもなく。しばらくして彼女は眠りから醒めたのだけれども。一人で映画観に行って、うっかり居眠りしちゃうことってあるけれど。眠った自分が寝言を言っていないとは、断言できないよなあ。なんだか不安にさせられる出来事だった。
*1:自分て予習をしないんだなあ、とも思った。驚きました