ど根性物語 銭の踊り(1964)・女経(1960) @新文芸坐〜追悼 市川崑〜
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この映画はオムニバス*2。一話あたり30分強と短いぶん、各監督のカラーが凝縮されいておもしろい。若尾文子・京マチ子は、計算高いしっかり者(でも純情)みたいな役柄をいきいき好演。はまり役ではあるけれど、最後の純情に、製作陣の思い入れを感じる気がして少々ひっかかる*3 *4。その点「物を高く売りつける女(監督・市川崑)」の山本富士子はチャーミングに人が悪くて大人だわ。脚本が女性だからかしら*5。山本富士子のコメディエンヌぶり、絵になるなあ。イイナアイイナア。山本富士子のことこんなに好きになるなんて思わなかった。「ちょっと可愛いくらいじゃダメよ。わたしくらいとびきりに美人でないと」だなんて、来世でいいから言ってみたい。「衣装代がかかるのよ‥」の嘆きどおり、とっかえひっかえする着物姿がいちいち眼福。虫干しシーン(?)もあるので着物女子必見*6。一筋縄ではいかない船越英二もおいしい役どころ。この2人の取り合わせがなんとも艶っぽくて。それで翌年「黒い十人の女」なのかしらん‥とか想像するのもおもしろい。
*2:増村保造「耳を噛みたがる女」(若尾文子)、市川崑の「物を高く売りつける女」(山本富士子)、吉村公三郎の「恋を忘れていた女」(京マチ子)。ウーン豪華!しかし、タイトルがまんま物語なあたり
*3:若尾文子や京マチ子にだったら、真心なしにだまされたっていいじゃなーい!と思ってしまう。でもそんな夢のないはなし、誰も見たくないか‥
*4:否。若尾文子の、京マチ子の存在が、すでに夢なのだ←青年の主張
*5:クレジットでは3作品とも八住利雄、となっているのだけど。新文芸坐のチラシには、「市川崑の話によると、脚本は和田夏十のオリジナル」と明記
*6:このへん家でじっくり見たいのに。DVD化されてないのかー。残念