カジくんの思い出

このあいだ乙友数名と気の利いた喫茶店で古いオリーブをながめるという至福時間を過ごした。そのとき、(1997年号か2001年号くらいの)ページのなかに、カジくんのグラビア的なものを発見して、もれるちいさな悲鳴(歓声ではない)。気恥ずかしくて、逃げ出したい。ちいさなパニック。みんな落ち着いて‥!なにがどうしてこんなにも、照れくさい気持ちになっちゃうのだろうね‥。この写真のカジくんは、かなりイケてる写りだし、服だってお洒落だし、元気いっぱい爽やかなかんじだし、横にはショコラまでしたがえているのに。不思議だよねぇ、とその場は終わったが。今考えてもあの不思議さは解明できない。考えてもわからないままカジくんの思い出。
(年寄りの昔話が始まるよー)
1990年頃か。ブリッジのメンバー写真のなかにカジくんの姿を見たときは驚いた。当時、わたしがライブに通っていた「フレデリック*1というバンドのお客さんとして、よく見ていた顔だったから。フレデリック少年(←と呼んでいた)、バンドやってたんだ。フレデリックというバンドは、よくある若手バンドのひとつで、世間的にはあまり評価が高くなく、固定ファンも少なかったので、親近感もあったし、お洒落なお客さんは少なかったので一目置いていたし、なによりわたしは夏のライブハウスに出たゴキブリを、フレデリック少年が退治したところを見ていたので、なかなか好感を持っていたのだ*2
ちなみにフレデリック少年とカジくんが同一人物であるのは、知人に確認をとってもらったので間違いないです。「爽やかに、‘ウンそれ僕!’って言ってたよー。‘フレデリックかっこよかったよねー’だってー」とのこと。・・・素敵!なんでそんなに堂々としていられるの?フレデリックってけっこう恥ずかしいバンドだったのに。とこう書いて、カジくんの気恥ずかしさは、その『紆余曲折した結果まっすぐ!』という堂々とした笑顔にあるのではないかと思い当たりました(まぶしいのよー)。思いのほかカンタンに照れくささの原因が解明できてよかった。(しかしわたし以外の乙友の胸をおそった気恥ずかしさの原因は不明)
特に熱いカジくんファンでない*3わたしがいちばん好きな歌は、「ささやかだけれど,役に立つこと」(歌詞→☆)。やっぱり直球すぎて恥ずかしい、でもほんとにそう思うよという歌詞が素敵だなーとあらためてつくづく思いました(歌声が少し上ずるところも、初々しい決意表明ってかんじで胸があつくなる)。映画DMCへの楽曲提供*4で、カジくんまわりがにぎやかなことになればいいなと思います。

MUSCAT e.p.

MUSCAT e.p.

余談:「ヒロスエ(清純派)が好き」「緒川たまき(知性派)が好き」と言いながらこっそりずっと広田玲央名(毒婦)を応援している底無し沼っぽいところにもシンパシーを感じております*5。押忍。

*1:フレデリックは音楽的に試行錯誤しながらも、ライブはすっごくかっこよかった。たまにフィッシュマンズのメンバーが見に来たりしてた。フレデリックに関してわたしが今でも悔しいのは、あのかっこいいライブを反映するアルバムをとうとう作れなかったこと(何枚かアルバム出しているけど、いつも物足りなさにこぶしを握り締めたよ)。あ、かっこいいといっても「ダサかっこいい」。ものすごダサかったんだよー

*2:ついでに「小山田君の思い出」。フリッパーズを知る以前、アンジーのライブで小山田君の姿を見ました。アンジーの上京記念ライブだったと思うので、1986年頃か(しろめ。泣いてもいいですか)。当時はただ「お洒落な少年だなあ」と感嘆しただけなんですけど(でも当時の絵日記に書いてあるのでけっこうな感動)。この後オリーブの街角スナップで小山田君を見て→フリッパーズギターの宣伝で「あの人バンドやってるんだ!」と思って。ちなみにアンジーのライブ会場で彼の姿を見たのはこれ一度きり。本人的には若気の至りか?でもわたしはずっと、「小山田君てああ見えてけっこういい人なんだな‥(アンジーもイロモノに見られがちでファンとしては肩身が狭かった)」と思っていました

*3:フレデリック少年!と心で握手を交わしながらもアルバム買ったことがない。知人にダビングしてもらっていたので

*4:「甘い恋人」も、朝からチーズタルト!胸焼け!でも食べたら美味しい(メロディ)!みたいなところがさすがだなーと

*5:我が家には広田玲央名の写真集(同じもの)2冊ありますがなにか