浪人八景(1958)/車夫遊侠伝 喧嘩辰(1964)@新文芸坐

〜鬼才・加藤泰 情念の鮮烈と奔流〜
【浪人八景】は、やけに天下泰平な映画だった。だいたい主役の市川右太衛門の顔からして典型的なアッパレ顔。旅の風景がまんま浮世絵で眼福(浮世絵を眼福と思う自分にはるばるしつつ、あのローアングルはほんと浮世絵的!)とか、金魚姫!そりゃまたなんたる姫っぷり(ちくんと残酷なことをけなげな笑顔で言ってのけるのがいいわー)とか、いろいろイイナアと思う箇所はあったものの、まだこの路線はわたしには早すぎる‥。

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車夫遊侠伝 喧嘩辰 [DVD]

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ウーン。これは壮大なラブロマンス?無茶なのに何故だか受け入れてしまう。冒頭の告白〜結婚式の流れに、エ?エ?エエエ??とあっけにとられて。ちょっと待ってこのかんじ‥。ア!そうだ、思い出した!これ、脚本に鈴木則文の名前あった*1!そだ!だから今日観に来たんだ。則文キター‥!キタからには、流れに身をゆだね(つっこもうと思ったら全方向から無限につっこめる。でも、そのつっこみは野暮)。感服。
なんだろう、なんといったらいいのだろう。この無茶を成立させているものはなんなのだろう。もうもうひたすら爽快で。最終的には眉間のチャクラがひらいた。
(また舞い上がってちゃんと書けなかったけど、すーごいおもしろかったのです)

*1:加藤泰との共同脚本