アナーキー(2008) @シアターN渋谷

http://www.anarchy.co.jp/info_frameset.htm
2009年のミニシアターはじめはアナーキーアナーキー。聞いたことありません。Kに連れられてきたのです*1アナーキー、好きだったんだ?ウン中学生のころね。何年前だよ‥。

このドキュメンタリーは、アナーキーが日本中に衝撃を与えていた1980年。その頃まだ生まれていなかった今を生きる若者たちに贈られる。
ちょうど30年前に、埼玉の不良が憧れだけで何も分からないクセに、勢いで結成したバンドが時代と重なり、1970代後半に世界同時多発的に盛り上がったパンクムーブメントと呼応し、日本のロックシーンと社会に与えた強烈なインパクトをメンバー自身、当時の関係者、そして彼らによって人生を変えられ、決められたアーティストたちのインタビュー、さらには貴重な映像を通して辿っていく。 (HPより)

予想に反して、いろいろおもしろかった*2アナーキーを知らないまったくの素人感想です。

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イギリスのパンクムーブメントが日本に来ると暴走族あがりになってしまうのか。でもそんなものか。初期の映像で見るアナーキーメンバーの顔は「つらがまえ」と呼びたいふてぶてしさなのに、愛嬌というかいい味があり、30代のわたしの目から見るとかわいいと言ってもいいくらい(ひとりキングオブコメディの今野似の人がいる)。
アナーキー結成にいたるまでのエピソードが異様なまでにほのぼのしていた(高校入学時に、トイレでマリ*3が茂にハンカチを貸したのが仲良くなるきっかけとか。まあ仲良くなる人と仲良くなるときには、些細なきっかけでじゅうぶんなのか。にしてもハンカチって昭和だ)。ものが始まるときの話って、どうしてちょっと聞いただけでもわくわくわくわくするんだろう。デビューまでの流れもあまりに急かつのどかでびっくり。情報があまりない時代のおおらかさがまぶしかった*4 *5
アナーキーを賛美するミュージシャンの面々がしぶすぎる。1980年その頃まだ生まれなかった今を生きる若者には、なおさらしぶく感じられるんではないかしら*6。でもいつも思うけれど、好きなものを好きと語るときの人の顔って、無防備にわくわくしていていい。ヒロトはいつも説得力のあることを言う*7。はからずも三代目魚武の発言にぐっときた*8

*1:レイトショーならユーロスペース行きたかった。シアターNならWHOの映画観たかった。だがこれが人付き合い。←たまに人に譲るとえらそう

*2:Kはかなり満足したようで、パンフレットとTシャツと缶バッチを買っていた。わたしがTシャツださいと言ったら、そこがいいんだよと言っていた

*3:どうでもいいけど映画観た帰り道、「マリはどうしてマリっていうの‥?(ハッ!)もしかして辺見だから?」と言ったら「そーだよ」という返事。マジすか!でもそういえば、山本だからってリンダって呼ばれてる男子いたなあ

*4:雑誌に載っているちいさな白黒写真をじっと見てそれをとりいれようとするからどうしてもなんだか違った解釈になってしまうみたい‥。ユニフォームとして国鉄の制服というのはかっこいいけれど、それはむしろテクノじゃないのかなあ

*5:80年代の新宿ロフトの様子が見られてどきどきした(その後になるけれどけっこう通った時期があるので)。ゲーム喫茶みたいなところでインタビューうけるシーン、あれはインベーダーゲーム?とハッとしたり、「フケ、イヤイヤ〜♪」というCMソングに懐かしくなったのち、そうだよ80年代ってはずかしいんだよーともんどりうったり‥。関係ないところもおもしろかった

*6:でもお客さんの大半はリアルタイムファンかリアルロックファンのようだったのでそんな心配は無用か。ちなみにざっと数えたところ、お客さんの数は15人ほど。思ったより客足いいな。ていうか人気あるんですね。すみません

*7:ロックを追いかけるとかずっとロックであり続けるとか、そういうのは駄目。ロックから逃げたくて、でもそこから抜け出せない、そういうものなんだよ的‥。選ばれた人であることを覚悟した人の発言だから説得力があるのかな

*8:今でもアナーキーのファーストに感動する自分でいたい的発言。魚武って厄介そうで避けたいけれど、なんだかんだいってもパワーがあってかっこいいよなあ