あがた森魚 @九段会館

あがた森魚ZIPANG BOYZ號の一夜 
 〜惑星漂流60周 in 東京〜 】
あがた森魚『惑星漂流60周年!』海上海底全国潜行オーシャンクロスロードツアー。2008年8月30日から年明けまで通して、北から南まで行っているツアーの一大記念イベント!あがた森魚の原点である、デビュー当時の演奏メンバーとのライヴをここに企画いたします。
出演:あがた森魚鈴木慶一矢野顕子武川雅寛/和田博巳/駒沢裕城/本多信介/渡辺勝/かしぶち哲郎久保田麻琴浜口茂外也/他

とても豪勢な夜だった。よいものを見た。あがたさんをずっと好きでいてよかった。

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60歳、還暦の記念に、デビュー時のメンバーで演奏するなんて、センチメンタルきわまれり。懐古的すぎる。でもまったく問題なし。なにも古くないのは、ずっと走り続けていた人の集まりだからなのかな。
豪華メンバーのなかでわたしがいちばんたのしみにしてたのは、言わずと知れたアッコちゃん(好き好き)。アッコちゃんの姿を拝むのははじめてなのだけど、あの神々しいまでの職人ぽさはなんなのでしょう。花のように笑いながら、バリバリの漢気オーラ。かっこいい‥。「パールデコレーションの庭」をアルバムのまま、いつかアッコちゃんとのステージが見たいというのはわたしの夢のひとつでした。想像以上の美しさに信じられないきもちと、目に!耳に!焼き付けるんだというきもちの綱引き。短いような長いような不思議な時間。アッコちゃんの船長さんルックかわいかった(あがたさんは、船員さん?)。
次にうおおおと思ったのは、「最后のダンスステップ」にあらわれた緑魔子。赤いワンピース姿で登場し甘い声で朗読(&歌唱)する魔子さん。まさかこんなものを拝めるなんて。お昼に観た映画のせいで、「今、髪は短いですが、ぢき長くなると想います」というフレーズにふふふと思う*1。気のせいか、あがたさん、すごくうれしそう。一途っていやね。
その他男性陣(ひどいまとめかた)は各自プロフェッショナルに、でしゃばることなく自分の音をたからかに響かせていました。時折のすごくサイケなねじれグルーヴに鳥肌立てまくり。というか鳥肌の3時間。歳を取らなきゃ出せない音があるのかも。

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セットリストは、このメンバーにちなんだものがメイン、なのだけど。年代的にはけっこうまんべんなく‥。ずっと一緒だったんだなあとあらためてしみじみ。わたし的に感動のツボだったのは、「佐藤敬子先生はザンコクな人ですけど」(あがたさんが小学校低学年だったときの担当の先生に捧げる歌)。この歌は、わたしの心境や体調にけっこう左右されて胸に響いて。なんていい歌なんだ‥としみじみするときと、ええいあがためしつこいわ、と一喝したい気持ちになるときと、けっこう両極端なんだけど*2。正直この夜ほどこころに響いたことはありませんでした。「あなたのことが大好きで。あなたの名前何度も呼んで」。思い出すだけで泣きそう。

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しかし60歳‥。太らないって素晴らしい(そうじゃなくって)。まだまだ現役でぴかぴかにかっこいい60歳。心強いな素敵だな。空に星があるように。心にあがたがあるかぎり。

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セットリスト(ところどころ?)
1.MEZCAL 2.淋しいエスキモウのように 3.手品のわるつ 4.僕は天使ぢゃないよ 5.るるもっぺベイ・ブルース 6.くるりくるりと 7.空飛ぶ理科教室 8.リラのホテル 9.夢見るスクールデイ 10.つめたく冷やして 11.サブマリン 12.ノオチラス艦長ネモ 13.デパートメントストア 14.1970ハネディアン 15.星のふる郷 16.最后のダンスステップ 17.清怨夜曲 18.君はハートのクイーンだよ 19.赤色エレジー 20.骨
アンコール 1.たそがれる海の城 2.佐藤敬子先生はザンコクな人ですけど アンコール 3.大道芸人 4.大寒

*1:ロングヘアの女性が好みな森雅之にショートカットのため袖の下にされる役どころだったので。「フンだ!すぐに髪の毛伸びるンだから!」

*2:すみませんすみません。たぶんこの歌が出来るころ頻繁にライブに通っていたので、毎回長い時間をかけてデモ状態を聞かされていたのがトラウマ的になっているんです(ほかにも名曲たくさんあるのに!この歌で3曲ぶんくらいそそぎこんだね的逆恨みといえば逆恨み)。っていうか敬子を解放してやれよ的な‥。←さらにすみませんすみません