カモとねぎ(1968)ほか3本立て @浅草新劇場

3本立てなんてありえない、と思っていたけれど、一本が90分くらいだから時間的には全然きつくなかった。劇場の混沌ぶりはきつかったが。←劇場については下に書いたので、興味のある方はぜひご一読ください(長いけど)。

【カモとねぎ(1968)】
yukazo_kさんの日記(→☆)を読んで、わー・こんなおもしろそうなの見逃しちゃったー‥と悔やんでいた「カモとねぎ」。
タイトルから想像がつくように、詐欺師のコメディ。わたしは森雅之のことは「浮雲」「白痴」の印象から、どちらかというと嫌悪感を持っていたので(その頬を、ぶちたい気持ち)、お目当ては緑魔子。たまねぎのシッポと評されるモードなショートボブがかあいらしい緑魔子。シチュエーションにあわせ、衣装をとっかえひっかえする緑魔子。黒エナメルのワンピース、ゼブラ模様のワンピースなど、60年代ファッションはポップでいいな(でもわたしが一番好きなのは、白ブラウスに黒タイトという禁欲ファッション)。赤いストライプにブルージーンズ、テンガロンハットというのはジーン・セバーグ気取りなのかしらん。しょぼいダンディの森雅之相手にキャンキャン吠える、こんなにおきゃんな緑魔子はあんまり無いんじゃないかなあ。予想外にキュートネス炸裂。そして堪能。魔子崇拝目線で書きましたが、対する森雅之もダンディさ枯れたセクシーさ役者愛など炸裂させ、なかなか素敵でした(見直した)。
座頭市 兇状旅(1963)】
はじめての座頭市座頭市勝新)の目の開け方とか動作とか、さすがの作りこみに役者魂を見るも、登場人物相関図が見えないせいもあり、途中すこし居眠りしてしまった。ふつうにおもしろかった。
【昇り龍 鉄火肌(1969)】
主演の扇ひろ子の歌で始まる‥。これは「緋牡丹シリーズ」のパクリ‥?と思えば「さそり」のパクリ‥(と思ったら、「さそり」のほうが後だった。女囚ジャンル、奥深し)?いずれにしても扇ひろ子、‥ヒロインの顔なのだろうか‥。観ているうちにだんだん綺麗に、見えてくるような首をひねるような‥*1。想像してみて。藤純子の、美しさ・気高さを庶民レベルにひきさげた緋牡丹。ちょっとしょっぱい。でもそのぶん、昇り龍や、さらしを巻いた胸の谷間はきちっと見せます。そのへんの采配は心得たもの。B級感にあふれ、それなりにおもしろかった。

*1:結局こたえは出なかったのだけれど、ウィキによると、「東映藤純子大映江波杏子に対抗して日活の扇ひろ子として人気を博すが、仁侠映画衰退期でもあり主演で活躍した期間は短かった。その後映画は助演にまわった。1972年の東映女囚さそりシリーズ第一作『女囚701号さそり』の、主演梶芽衣子に次ぐ順主役の女囚人役が有名」だとか。この、さそりの準主役というのが、ものすご納得のポジションかと。ちなみに現在は演歌歌手をされているそう。そういえば歌、うまめでしたな←主題歌