バンク・ジョブ(2008)/その土曜日、7時58分(2007)@ギンレイホール
今回のギンレイは強盗つながりの2本立て(?)。わかりやすいなー。
【バンク・ジョブ】
2008年/イギリス映画/110分/監督:ロジャー・ドナルドソン
1971年英国のある銀行に7人の強盗団が侵入、現金と宝石類に合わせ王室のスキャンダル写真と、政府高官や汚職警官らの秘密が盗まれてしまった。筋金入りの刺客が放たれ命をかけた駆け引きがはじまり……小市民が権力を慌てさせた、実話に基づく封印された英国最大の銀行強盗事件!!
【その土曜日、7時58分】
2007年/アメリカ映画/117分/出演: フィリップ・シーモア・ホフマン、イーサン・ホーク、マリサ・トメイ、アルバート・フィニー
金に困り両親が経営する宝石店を狙って強盗計画に及んだ兄弟。最悪の誤算を引き金に次々に現れる真実、追い詰められていく二人……現代人の脆さ弱さをスリリングに描いた名匠シドニー・ルメット監督の話題作!!(※R-18)
おめあては「バンク・ジョブ」。ここ数日残業続きで*1、数字にらんでばっかりでくさくさしてるので、爽快な映画が観たかったのだ。「バンク・ジョブ」ですっきりしたら、見るからに重そうな「その土曜日、〜」は観ないで帰ってしまおうかしらん。なんて考えながらギンレイへ。
(ネタバレではないけれどこれから観る人の楽しみを奪いそうなのでたたみます)
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「バンク・ジョブ」、予告ではあんなにポップっぽかったのに(T-REXをBGMに銀行強盗だなんて!)。ギンレイ通信の作品紹介(↑)だって、こんなに痛快そうなのに。楽しく観てたけど銀行強盗仲間の1人が残酷な死に方をしたとき、すうっとひいた。人が死ぬことは知っているし、これは映画だとわかっているけど、あれは無い‥。すっかりしょげた。このしょげを払拭する展開のないまま終わってしまい、‥かっこいい映画だと思うんだけど‥。プラスかマイナスか言われたら、マイナスの暗い気持ち。毒を食らわば皿までだなあと、二本めに突入。
「その土曜日、7時58分」は、男の人生・惨めカタログ。フィリップ・シーモア・ホフマンと、イーサン・ホーク(彼がこんなに惨め栄えするとは意外!‥これって誉めているのかしらん)。二人の俳優を使って、これでもかこれでもかといろいろな惨めさを堪能させてくれるのだけれど、惨めさ、こんなもの堪能したくない。とにかく物語が、最悪中の最悪に向かって広がっていき、惨めさはどの角度から見ても最高潮(わたしは3回以上画面にタオルを投げてギヴしたい気持ちになった)。ああもう見たよ、惨めを360度全方向からなめるように見たよと思った頃、1周まわって楽しめるようになった(あのスイッチはなんだろう)。もやもやしすぎてラストはもう爽快。こうでなくっちゃ‥!
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爽快映画の暗い側面にへこんで立ち直れなかったわたしが、どんより映画の救いのなさ(もはや「でも、やるんだよ」界へ突入)にカタルシスを見る‥。人間の心理とは不思議なものだなあ。なにを言うかよりどう言うかだよねえと納得したのち、よっし明日も地道に働くぞう!と若干元気をとりもどしてギンレイをあとにした(「その土曜日、〜」を観てこの感想。おそろしいことじゃて)。*2