人生劇場 飛車角(1963)/二・二六事件 脱出(1962)
尾崎士郎の大河小説から飛車角に絞って映画化、本作のヒットにより東映任侠映画が確立された名作。沢島忠の演出は、飛車角(鶴田浩二)とおとよ(佐久間良子)のメロドラマとして情感たっぷりに描いている。高倉健は三角関係に揺れる宮川に扮して好演。
- 出版社/メーカー: 東映ビデオ
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おもしろかった!なぜならメロドラマだから*1。任侠なんてものは女にとっては不条理以外のなにものでもないので、男の不条理VS女の不条理という図式はまったく正しくて肩入れしやすい。正しいメロドラマはイイネ‥(かなしみ堪能中)。この映画のなかの佐久間良子は、曲線で構成された端正な顔立ちに着物のぼってり感が麗しく栄えて、真空パックにしたい美しさ。ここまで綺麗な人とは認識してなかったので驚きながら見惚れてしまった。鶴田浩二も、これをかっこいいと言わずなにがかっこいいのかという隙の無さで、好みとは別に、認めざるを得ない到達点というかんじ。やはりメロドラマは美男美女のものなのか‥(うっとり)。
(はっ、健さん。この映画の健さんは「年下の男の子」キャラで*2、ちょっと‥ドヒャー(もんどりうつわたし)。かわいいといえばかわいいんか?どうか?性に対してもなんかオイ青いぞ、ちょっと待て!というかんじで、劇場のあちこちから小さな笑いがもれていた)*3
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【二・二六事件 脱出】
監督:小林恒夫 出演:千葉真一、三國連太郎、江原真二郎、柳永次郎/白黒/96分
皇道派青年将校たちのクーデターである二・二六事件の知られざる秘話。叛乱軍の包囲する首相官邸に取り残された首相を救出しようとする人々の姿をスリルとサスペンス豊かに描く。高倉健が憲兵、三國連太郎が秘書官に扮して力演をみせる。
歴史秘話と聞いて下地的教養のないわたしにはついていけるか心配だったのだけど*4。心配ご無用の娯楽サスペンスだったのでよかった。手に汗にぎりながらおもしろかった。つい高倉健や三國連太郎サイドから見てしまうのだけど、叛乱軍に視点をあわせると、なかなかどうしてやるせない話。(近代の歴史ものって、「いまはこの視点なんだよな」とか余計なこと考えてしまうのがちょっとヤだ)