ぼくの伯父さん(1958)@K'sシネマ
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2004/02/27
- メディア: DVD
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あのかろやかなテーマソングが聞こえてきたら、もう。うれしくてこころがうわずってしまう。こんにちは伯父さん!あいかわらずのご様子なによりです。同じ映画だからあいかわらずのご様子はあたりまえなんだけど、でもでもうれしいなあ。いつまでも古くならない永遠ぶりが、うれしいなあ。伯父さんはきっと、あの世でもこんなかんでしょ?帰り道もいまも、あのテーマソングがこころのなかに。
- アーティスト: 映画主題歌,サントラ
- 出版社/メーカー: ユニバーサル インターナショナル
- 発売日: 2007/04/18
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しかしこーんなに浮かれたわたしのこころとは裏腹、お客さんの入りは悪かった。まァね。ビデオにもDVDにもなってるし、久しぶりの特集上映ってわけでもないし、なんてったって未曾有の不景気らしいしね。ソフト化されている映画にいっちょまえの入場料(1本立て1300円。まァ2本目からはリピーター割引で1000円になるけど)は一瞬躊躇するよね。でもでもでも、スクリーンで見られる贅沢を、楽しみたいじゃないですか。ここは伯父さんのために一肌脱いでくださいませんかねえ‥(誰に対するどんな懇願か)。懇願ついでにチラシに寄せられたヌマ伯父先生の言葉を書き抜き。
かつてぼくは、仏国でタチの映画祭のおり、映画を見ている観客から「Oncle!」とか「Mon Oncle!」という掛け声を聞いた。われわれ日本人が粋な歌舞伎役者に唸るのと同じように、画面に向かって、つい声を掛けてしまうと云ったあんばいだ。それがみな、いい年をした、小父さん然とした甥っ子たち、つまりフランスなどという国では、伯父さんから甥っ子に伝えるべき、自由な生き方としての伝統が脈々と受け継がれている。ある種、彼らは、社会的には、どうしょうもない若者や、だらしない大人たちかも知れない。それでも「伯父さん」という一本筋の通った生き方の先生(みほん)であれば、どんな悪口を云われても、本人はへえっちゃら。そしてそれを聞いた人達は、しかめ面をするのではなく、むしろ微笑んでしまう類のものなのだ。
−−−沼田元氣(ポエムグラファー)