グワシ!楳図かずおです(2009) @下北沢トリウッド

映画がみょうにおもしろくて「もう一度観たいかも」と思っていたところ、楳図かずお本人が来場するスペシャル上映が勃発。暮れのおしせまるなか、二度目の「グワシ」。
楳図かずおがまだ、この映画を観ていないらしいので、「一緒に映画を観るというイベントかなー」と勝手に想像してわくわく向かったわたしはまだまだヒヨッコ(甘かった)。楳図かずおスペシャルライブ付上映だった。あの狭いトリウッドでライブ。必然的に至近距離。もったいもうございます‥。つうかなにがなんだか。
(ほぼ同じ趣旨のイベントが、2/7にもあるようです。興味のある方は当日券に賭けてください&つづきは読まないのが懸命かと思います)

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まずさいしょは、ユニット夫婦烏の歌姫ヨシコとして登場。ピンクのカーディガンにふわふわスカート。ここまでは驚かないとしても、この格好で下北沢を歩いてきたというのには驚いた。「だってこのあいだ、この格好で吉祥寺で撮影あったから。あれに比べれば下北沢なんて」。そんなもの?
「好きで着ている衣装じゃないわ」と切なく歌い上げるヨシコ。

感想を求められ、「かるい生き地獄」とこたえる母親役のマスダさん(ふだんはサラリーマン)。「なんでこんなことになったんだっけ?(ヨシコ)」「楳図先生が言い出したんじゃないですか〜(マスダさん)」。実生活の力関係はさておき、ステージ上では母親にこきつかわれる設定のヨシコ。「さっさと帰るわよ!」マスダさんに腕をひっぱられ退場。(歌:「新宿烏」「へび少女」)

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続いては、クロベエさん(ギター)との二人ユニット・キャッ!プス(ユニット名が付いたんです)。ふわふわガーリィな服装から一転、半ズボンに裸足という軽装で登場。(歌:「ビチグソロック」「猫目小僧」)

「床に画鋲が(落ちてる)!?」なんて叫ぶから、「すわ!トゥシューズに画鋲!?」と吃驚したら、赤いボーダーシャツについた鋲(?)が床に落ちたものだった。KAZZ(裸足)が踏んだら大惨事だよ。「ステージ衣装は洗っちゃいけませんね(KAZZ)」「ネットに入れて洗えばいいんじゃないですか?(木原さん)」「ううん、洗っちゃダメ。多少くさくなっても、そこは割り切って(KAZZ)」。なんだこの芸人魂。
「お二人はどこで知り合ったんですか?たしかクロベエさんの働いてる整骨院に、楳図先生が通われてたんですよね?(木原さん)」「あ、まずそのまえに‥。うちの整骨院のまえが楳図先生のお散歩コースらしくて、お散歩される姿をよく見かけてたんですよ。ぼく、ファンなのでそれで挨拶するようになって(クロベエさん)」「‥なんて挨拶ですか?(木原さん)」「あ、‥。ふつうに‘コンニチワー’って(クロベエさん)」。妙にいい話だと思いました(基本は挨拶!)。

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最後はまこと虫ダンサーズをひきつれて、おなじみ「グワシ!!まことちゃん」。

「来年(2010年)は漫画家生活55周年ですが、その翌年(か翌翌年)は音楽生活55周年ですから!新しいアルバムも企画してますよ(木原さん)」。「漫画家生活55周年て言っても、最後の方10年くらい、なにも書いてないよ(楳図かずお)」。「自分でそれを言わないでくださいよ‥(木原さん)」。

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すべてのステージが終わり*1、監督含めたステージ出演者でトーク。のはずが楳図かずおが出てこない。「‥疲れたから休んでるのかな‥?おーい、楳図先生〜〜」「エッ、帰っちゃった?疲れたから帰っちゃったの?えええー、最後はみんなでグワシして終わろうって言ってたのにー!先生ったらー!」。木原さんは困っていたが(司会進行役だからそりゃ困るだろうが)、わたしとしては痛快でした。それくらいわがままでいいんです。
木原さんが伊藤さん(「グワシ!」の監督)に、「伊藤さんはどうして楳図先生のホームページを手がけるようになったんですか」と質問。「いやー、僕は楳図先生とはなんの接点もなかったから‥。吉祥寺を歩いているところに声をかけて『ホームページを作らせてください!』ってお話しして‥。それでですよ」。これもいい話だなーと思いました(基本は体当たり)(基本、楳図かずおは歩いているのね‥)。

2010年の1月に、楳図かずおが台湾の漫画イベントに出演されるらしいのですが、トークショーとサイン会の依頼に対し、「それだけじゃつまらないから」とライブ企画も持ち込んだとか。さすが。「でも、テンパーさんは都合がつかなくて行かれないから、バックダンサーはわたし一人。一人でバックダンサーといえるのか‥。台湾のスタッフがひとり踊ってくれればいいんだけど‥。一人‥。素早く動いて楳図先生の左右にまわりこんで‥ 二人いるように見せればいいのか‥」。分身の術をつかおうとしている金子デメリンが印象的でした*2

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その後は映画「グワシ!楳図かずおです」本編の上映。わたしふくめお客さんはたぶんすでに一度観たことがあるのでしょう、以前トークショーで「サービスショットです」と指摘のあった「うがい」「五ヶ国語レッスン」の場面で笑いがもれていました。いろいろ感服。

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prints (プリンツ) 21 2010年春号 特集・楳図かずお [雑誌]

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今日登場した「夫婦烏」「キャッ!プス」等音楽活動に賭ける意気込みはこちらで。マイケルジャクソンとの天国対談も見逃せません。グワシハンドのおまけや振り付けパラパラなどの豪華企画に負けてつい2冊買ってしまった(よわいわたし)。先日の放送を本にまとめたこちらも見逃せません。なにがどうしたかよくわかりませんがやはり2冊買ってしまった(よわいわたし。頭が)。

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しかしこうして見ると、TV番組の講師を務めるわ映画になるわバンド活動は順調だわ、今、まさに楳図かずおの時代なのに。こうして日記を書いていて、手ごたえがないのは何故。

*1:じゃんけん大会で勝った人は楳図かずおとツーショット写真が撮れるという豪華な企画もあった

*2:デメリンさんといえば、「今日のヒゲは藤竜也みたい」と評されていたのが印象的でした。男前すぎる