曲がれ!スプーン

映画・舞台・映画と続けて観た結果、わたし内ヨーロッパアイドルの座が、角田さんから諏訪さんに変わった。なんと思いがけない。これがサイコキネシスか。

映画「曲がれ!スプーン」(2009)
  
2005年に公開され、熱狂的な支持を得た『サマータイムマシン・ブルース』のスタッフが再結集!今最も注目される若手劇作家上田誠(劇団「ヨーロッパ企画」代表)と、本広克行監督が再びタッグを組み、ヨーロッパ企画の最高傑作戯曲をついに映画化!主演に長澤まさみを迎え、超個性的な小劇場界のオールスターキャストの面々が独特の演技で脇を固めます。ヨーロッパ企画ならではのリズム感のあるユーモアと個性豊かなキャラクターが絶妙に溶け合い、最高にキュートなコメディ映画が誕生しました!
監督:本広克行/原作・脚本:上田誠/出演:長澤まさみ三宅弘城・諏訪雅・中川晴樹・辻修・川島潤哉岩井秀人志賀廣太郎/2009年/日本/1時間46分

(一回め。11月に観たときの感想)
このシリーズ(?)の前作「サマータイムマシン・ブルース」がかなり好みだった*1ので、期待してたのだけど、ほどほどだった。前作のような爽快感はなし。舞台版の記憶が強すぎるせいかなあ。
ヨーロッパファンの人は、「ヨーロッパを探せ!」的に画面のあちこちに現れるメンバーをさがす楽しみがあるし(「サマータイムマシン・ブルース(映画)」ファンの人も同様)、長澤まさみはかわしいし(長澤まさみを主人公にしたための無理やりガーリィムービー化はほほえましいけど、女の子が主人公というところに新しいものを感じて期待してたんだけど(ヨーロッパ企画の弱点は女性キャラクターの設定が薄いことだと思っているので)、特に新しい風穴は開かなかった)、いろいろサービスを盛ったのはわかるんだけど、‥盛りすぎて後半もたついちゃったのかしら。なんというか「惜しい」。

(二回め。12月、舞台版を観た翌日の感想)(Kが、「俺も映画版観たい」と言ったため)
舞台版を観たばかりだったので、映画と舞台のアレンジの違いや工夫が興味深かった。健闘してるよ!みたいな感じ。でも舞台と見比べておもしろいというのは、映画単体ではパンチが弱いということだよなあ。
でも、ふらりと気軽に観に行ける映画は、フットワークが軽くていいな。思いがけない角度から高評価。
(ちなみに地元のシネコンでは夜10時からの上映しかなく、「こんな時間に誰が観るんだ」と不審に思いながら出かけたのだけど、こんな時間にこんな映画を観るのはわたしたちだけ、まさかの貸切状態でちょっと凹んだ)

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ヨーロッパ企画 第28回公演「曲がれ!スプーン」 @紀伊國屋ホール
  

曲がれ!スプーン」というお芝居です。僕らヨーロッパ企画としては、初演から数えると、じつに4演目となる公演です。もともとは、「冬のユリゲラー」というタイトルでした。さらにその前は、「あの娘にサイコキネシス」として、世にでようとしていました。99年冬のことです。ともに歩んできた10年だったな、という感じがしています。この作品しかやってなかったんじゃないか、という気すらしています。いろいろ遠回りしたけど、もう離さないぞ、という気持ちです。クリスマスイブに、喫茶店に集まるエスパーの話です。超能力合戦がみれます。ぜひぜひ観にいらしてください。(作・演出 上田誠

うーん。映画版を先に観て、「やっぱステージでしょ!」と期待値をあげすぎたみたい。いや、もちろん、おもしろいんだけど。2007年度版のお芝居がおもしろすぎた(もう一本同時期に上演していた「苦悩のピラミッダー」とからめたりして、サービスてんこ盛りだった)&あのときのキャスティングの印象が強すぎるみたい。わたしのなかでは、細男は土佐さんなんだよ‥(永野さんは細いというよりちびっこい)。
ヨーロッパ内アイドルだった角田さんも‥。マスター役は映画版の志賀さんのほうがしっくりきていて歯がゆい(若きマッドマスターというのはなかなかの胸キュン設定なのだけど、ナイスミドルマスターには勝てない‥)(そのせいか諏訪さんの暴れん坊ぶりに心を奪われました)。全体的に映画版のキャスティングのほうがキャッチーだな。そう考えると、映画版には映画版の良さがあったな‥(と思い翌日二度目の映画を観るはめに)。
お芝居うんぬんより、劇中に出てくる「透視とタイヤキ」の変化が興味深くこころに残りました(しょうもない感想ですみません)。
あと、お芝居を観た席が、思いのほか前のほうの席で。もうちょっと後ろから全体を観たかった。舞台を観るってちょっとギャンブル性がたかいな。(映画を二回観たら二回目のほうがうんとおもしろかったので、公演中にもう一回、今度は後ろのほうの席で観たいな、と思ったのだけど時間とお金が工面できず。まぁそんな何度も観てどうする。俺よそんなにスプーンが好きか)

*1:映画がおもしろかったのでヨーロッパ企画にも興味がわき、ひさしぶりに小劇場の扉をあけた