9<ナイン>(2009)/第9地区(2009) @ギンレイホール

なんの予備知識もなく観た「第9地区」がすごく面白かった*1

9<ナイン> 〜9番目の奇妙な人形〜 : 9
2009年 アメリカ映画 英語 80分/監督: シェーン・アッカー/出演(声): イライジャ・ウッド、ジョン・C・ライリー、ジェニファー・コネリー
  
人類滅亡後の世界に目覚めた背番号を持つ9体の麻布製ボロ人形。獰猛な機械獣に力をあわせ犠牲もいとわず死闘を繰り広げるヒューマン物語。アカデミー賞短編アニメーションにノミネートされた作品に惚れ込んだティム・バートンが製作の名乗りをあげた長篇作品。

↑ 同時上映のこちらはふつう。

第9地区 : DISTRICT 9
2009年 アメリカ映画 英語 111分 PG-12/監督: 二ール・ブロムカンプ
出演: シャルト・コプリー、デヴィッド・ジェームズ、ジェイソン・コープ
  
南アフリカに突如現れた難民宇宙船。止まること28年後にスラム化し、国家機関は強制収容所移住計画を立てるが、凡庸な交渉担当者と静かに帰還計画をねる異星人親子……映像の様式をフル活用した、今までにない新鋭のSF作品。

予告編すら未見。予備知識としてはギンレイ通信の映画紹介文(↑)だけという状態で出掛け、あまりのおもしろさにひっくりかえった。エイリアン映画には興味なし、流血肉弾映画は苦手なわたしがこんなにおもしろく感じるなんて。この映画、ジャンルを超えたな‥!ということはつまり本質に触れたな。偉大な映画と思います。
このあいだ「ぼくのエリ 200歳の少女」を観て感動したときは、「どうせ見るならこういう美しい夢を!!」とブルブル震える気持ちだったのだけど、「第9地区」は、「どうせ見るならこういう出鱈目な嘘を!(ピース!)*2」。冒頭の「エイリアン侵入禁止」の標識のリアルさに、吹き出しながら、わくわくしちゃって、そのわくわくが裏切られずずっと続くうれしさ。たぶん、映画の画面上には出てこない設定もたくさんあるんだと思う。こういう作りこみがフィクションの世界に息を吹き込むんだよねえ。ものすごく「愛」を感じるんだけど、その愛をもってしてこの話というのがまた、くだらなくていいなあ。贅沢。ただケタケタ笑って楽しむことも出来ますが、いろいろなアイロニーが散りばめられた社会派映画でもあります。久しぶりに映画観て体温あがった。
映画がおもしろかったのでパンフを買ったのだけど、無名なスタートから口コミなどで大ヒットしてアカデミー賞にノミネートされたらしい(アメリカンドリーム?)。こんな馬鹿映画が受け入れられるなんて素晴しい。アメリカって懐深いなあ(見直した)。すごい低予算映画‥らしいけど、特撮オンチのわたしの目にはなんの不足も見当たらず。逆にいうと普通の映画ってどれくらいの製作費なの?どこに使ってるの?キャスト?うーん色々な可能性を見た気がする。

*1:しかし張り切って2回目を観たら、どうしてわたしはこういう悪趣味な映画が好きなんだろうと自己嫌悪に陥った

*2:ついイキオイでピースしちゃったけど全然ピースな映画じゃないや