眠り姫

バウスシアター2(旧ジャヴ50)で二度目*1の鑑賞。画面に人があらわれない、静寂と不安と喪失。‥せつなさというかやるせなさに、うずくまったまま消えてしまいたい気持ちになった。観るんじゃなかったかも(とりあえず今は)。などと言いながらまたいつか、「映画館でやるんだ」と観に行ってしまいそう。そしてそのときはまたちがう感想をもちそう。おもしろい映画だ。
西島秀俊の声の、あの甘さと絶望はなんなのだろう。生と死どちらもふくんだような。そういえば西島がナレーションをしている「SELF AND OTHERS」も、いろいろなものの境界線がぼやける、あたまと足元がぐらぐらする不思議な映画だった。また観たい‥(ついこのあいだ渋谷の特集上映でかかったと知って、見逃したことをすごい後悔した。くやしすぎる‥)。
このあいだ「山高帽」(モチーフになっている小説)を読み返したら、この映画の忠実さにびっくりしたのだけれど。「山高帽」と「眠り姫」(原作にあたる漫画)の距離が、よくわからない。どうして主人公の青地を女性にしたのだろう(エロか)。同性同士のほうがこわいだけで潔いのに。異性だと、恋愛感情が入ってくると、なんだか信用ならない気がしてしまう。わたしは恋愛感情をあまり信じていないのかな。信じすぎているのかな。まあ早く、「眠り姫」読みなよという話か‥。

*1:一回目の日記→☆