私のSEX白書 絶頂度(1976)

ラピュタ阿佐ヶ谷 愛と官能のプログラム・ピクチュア:日活ロマンポルノ名作選

冒頭の、駅*1のまわりの風景が、独特の空気を切り取って、「おもしろいものが観られそう‥」と期待感を抱かせる。川沿いのアパート、取り壊しているビル。独特の空気。けだるい美人。この三井マリアという女優さん、ほんとに綺麗。こんな美人がロマンポルノに!ついオッサンのような反応をしてしまう。届かない願い、ひとりだけ誰とも情を交わさない弟。ブレる輪郭。とても映画的な映画だと思った。すごい。おもしろかった。
でもやはり情交シーンがながく続くとなんとも落ち着かない心持ちになってしまう。この映画もふつうの映画として作られたら観やすくてよかったのに‥。でもこの映画の肝は、最中の三井マリアの神がかったような、なにかが降臨したような様子だよね、きっと。こわくてかなしくて、欲情とはとおい感情しかわかないけれど。

*1:さいしょの駅はどこの沿線かわからなかったけれど、さいごのほうは京浜急行っぽい。わーどこのへんだろう?ビバ赤い電車