フランスが夢見た日本 ―陶器に写した北斎、広重 @東京国立博物館・表慶館

今年は日仏交流150周年。「フランスが夢見た日本」だなんてうっとりしちゃう催し(→☆)は、パリ・オルセー美術館との共同企画。建物自体が夢見るような、表慶館→☆)で。
おおきくわけて、ふたつの展示。セルヴィス・ルソーの量産された食器と、セルヴィス・ランベールの手描きで彩色された飾り皿たち。眼にうれしいのは間違いなくランベールのものなので、まずはルソーの食器から。モチーフは日本画に間違いないのだけれど、組み合わせの妙(これがスゴイ。構図とかも斬新だけれど突然フナムシみたいな虫を食器に跳び散らさせる感覚が‥)だとか、たどたどしい線(エッチング自体は実にシャープなラインなのだけど、食器にのっかると、なんだか‥)だとか、‥ジャポニズム、かなあ?東洋趣味、‥ん、もうキッチュ‥かも。テーブルセッティングを再現すると、見栄えがいいから不思議。でも食事していて、お皿の底からリアルな虫の絵がでてくるっていうのはどういうエスプリだろう。よその国のものだから許されるんだろうな。フランスに渡ったジャポニズムは、どこの国にもない異国情緒で、どこの国より魅惑的。
ランベールのお皿は、はっきり一皿一皿が芸術作品。眼福‥!日本絵画のいいとこどりながらも、日本情緒がそぎおとされていておもしろい。これまたどこにもないニッポン。いちばんおもしろかったのは浮世絵、広重の五十三次の、解釈というか、‥富士山をはしょるなんて日本人としてはありえない!斬新すぎる!という驚きを自分が持ったこと。なにこのDNA‥。
お皿の展示のよこに、絵の元ネタ?である日本画も展示されているので、(わたしのように)絵の教養下地がない者にもたのしく観ることができました。このへんにさりげなくも熱い情熱を感じたのと、単純にたのしかったので図録も購入。背のカドが四角い、綺麗で立派な図録。にまにまにやけながらながめてます。わたしの知らない遠い国、憧れのニッポンがここに。

:::::::::::::::::::

この展覧会に関連した、「子どもレシピコンクール」(→☆)の結果もたのしみ。子どもがいる人は参加させるといいと思う!(あ、でも保護者は表彰会*1に参加できないのかしらん?できるよねえ?)

*1:入賞作品をもとにロイヤルパークホテルのシェフによる会食ですって。イイナー