赤坂の姉妹より 夜の肌(1960)/女は二度生まれる(1961) @新文芸坐
〜検証・日本映画(4) 映画作家・川島雄三 :笑いに秘められる哀しみとニヒル〜
【赤坂の姉妹より 夜の肌】
なんというか叙事詩。女を武器にがんばるお姉ちゃん(淡島千景)を、妹二人が非難するのだけれど、お姉ちゃんのがんばりのおかげで今の生活があるのにそんなこと言わんでも、と思ってしまう。特に末の妹。まだ学生でなんも汚れてない子供に、女の人生に口出ししてほしくないわー。まだこの子おんなじゃないわー。なんだかいらいらしてそんな自分がどれだけ女のつもりなんだかと驚いた。映画はなかなかいろいろおもしろかった。淡島千景の上品ですこしはすっぱな着物のきこなしが素敵で、粋さをすこし見習いたい(でもどうやって)と思った。
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初見(→☆)のときは、ふわふわ風船みたいな若尾文子に、反感というか違和感というか歯がゆい思いを持ってしまって(時代や境遇があるんだろうけれど、若尾文子ならもっとうまくできるでしょうーと思ってしまった。若尾さんが現代美すぎるのきっと)、「さいしょからさいごまでパーフェクト!」とまで誉める気持ちがわからなかったのだけれど。映画が始まるまえ、当時のプレスシートの宣伝文を読んで、みょうに納得させられてしまった。
「女は二度生まれる はじめは女として 二度目は人間として」
「女は男を楽しませ 男は女をつくりかえる 変転かぎりない女の愛の姿を描く文芸大作」
二度目が人間‥。あくまでこういう意識のもとの世界なんだ・・・。
そう心構えして見ると、そんな境遇のなか、深刻にならずに風船のようにふわふわ漂う小えんの姿はまさしく男の夢なわけで。んんん。せつないなあ。綺麗だなあ。愚かだなあ。愛しいなあ。どうも同性(女として)目線というより男性目線で見ているらしい自分を発見(気分は山村聰‥)。がっかりしながらも、たぶんこの目線がいちばんこの映画を満喫できている‥。(ルネさんはどんなかんじで見てらしたのかしら‥気になるわ‥)