百万円と苦虫女/同窓会 @ギンレイホール

百万円と苦虫女 [DVD]

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よかった。好きだな。誰でもこういうこと考える時期があるのではないかしら。でも人生も人間関係も、煮詰まってからが本番だし、野球はツーアウトからだもんね。あまり上手に人間関係を築けない主人公が、弟くんという、煮詰まっても逃げることの出来ない最たるものである家族からの手紙でぎゃんと再起する正しさ。自分探しなんてしたくないです。いやでもここに(自分は)いますから。面倒な女の子を好きになってしまい、面倒な男の子になりさがる切なさ。蒼井優のおかげかな、いい意味でおとぎばなしみたいな映画だった。監督(タナダユキ)がこのあと「俺たちに明日はないッス」を撮ったというのも頼もしくて好ましい。これからもいろいろ見続けたい監督さんだわ。
蒼井優の映画を観て、「かわいい」と書くのはやめようと自分に決めています。何故なら蒼井優とはかわいい生き物だから)(しかしけっこういい奴のイケメン(俳優名知らん)にちょっかい出される浜辺より、森山未来にやさしくされる地方都市より、ピエール瀧(肥えたな)の横で桃をもぐ山間部がいちばんのパラダイス(これこそ桃源郷)と思ったわたしはなんというか終わってる)ひさびさに映画を見て、黒い人格がでてきた。黒いのでたたみます。
(こちらを先に見たのだけど、たたみたいので今回観た映画の順番前後します)
おもしろいものを作ろうとしているんだろうなあ。ということは理解できた。こういうの、おもしろいと思ってやってるんだろうな。でもわたしには駄目だった。作為が見えすぎてすべてが裏目にでた。俺たちのナンバーワン・永作博美の魅力をここまで消すとはあっぱれではないか(あーでも高校生のパートを演じた子はかわいかった)。とはいえ映画館の暗闇のなか、大画面で見たから駄目だったのであって、部屋のTVで家事などしながらながめれば、けっこう楽しめるような気もする。なにこのプチフォロー。年の瀬のあわただしい時期に*1、わたしはなにをしてるのか(こたえ二本目の「百万円と苦虫女」を観に名画座に来た)。つまらなく感じて寝てしまうときあるけど、この映画には神経をさかなでされて逆に眼がさえた(というか瞳孔が開いた)(退屈しらずという意味では賞賛に値する)(感情が動いたという意味では感動しているし)。年の瀬のあわただしい時期でなかったら、わたしをイラつかせるものの正体についてじっくり考えたいのになあ*2

*1:いやホントにあわただしかったら映画など観に来ないし、仕事が忙しかったら一本目観ないで残業し、よーするにひまなのだけど

*2:実際あまりに駄目だったので、相性についてつらつら考えをめぐらしました。学生の頃、べつにきらいなわけではないのに、どーにも会話の歯車があわない子がいたなあ。あの子がいるともうダメだったなあ、あの子元気かな、とか。いやなもののなにがいやって、そばにいると自分の心が荒廃しちゃうのがいやだよなあ、自己を守るために走るいじめというのもあるんだろうなあとか。←暴力衝動が生まれるほどつらかったのか?