チェ・ゲバラ 人々のために(1999)@ポレポレ東中野

チェ・ゲバラ 人々のために [DVD]

チェ・ゲバラ 人々のために [DVD]

映画の公開にあわせたドキュメンタリーリバイバルinポレポレ*1。関係者のインタビューがメインの、かなり朴訥な作り。アルゼンチンというお国柄のリズムなのか、ゲバラに対するそれなりの理解と尊敬がベースにあることが前提なのか、一見さん(わたし)にはとっつきにくい。独特の展開に慣れたころ、テーマが変わるので(しかもこのテーマ分類が「?」なかんじ)、前半は少々つらかった。眠気が覚めたのは、中盤、革命グループ*2でいっしょに闘っていた女性が出てきてから。今までの同志、男性陣がつとめて理性的だったのに対し、この老婦人はなんつうか本能的でおもしろい。「彼は、真面目すぎて融通がきかず、一緒に働きにくかったわ。怒ったときのあのまなざし‥」「あのまなざし。たまらなかったわ。その怒りがたとえ自分に向けられたものだとしても‥。あのまなざし‥」みたいなかんじ。シビリアンパワー炸裂。おばあさんのお話はありがたく聞くべきねー!と愉快なきもちになったのだけど、こういうの男性陣はどう思うんだろ。「しょうがねえなー」って失笑で終わりかしら。なんにしろわたしはこの発言で目が覚めて(というか眠気から覚めて)、後半は身をのりだすイキオイで楽しんだ。そのうちベニチオ・デル・トロの、「28歳」「39歳」も観よう。

:::::::::

どうでもいいけどゲバラの思い出。今から10年近く前だと思うのだけど、脱サラした友人男性の、髪(くせ毛)が無造作に伸びすぎていたのを、「ゲバラみたい」とからかったら、一緒におしゃべりしていた男性は「ほんとだ、ゲバラだ。髪だけゲバラだ」と同意してくれたんだけど、ギャル気味の友人が、「ゲバラって誰?」と質問したので、「チェ・ゲバラだよ」と説明したら、「だからシゲハラって誰?」と半ギレされて(みんなの前で自分だけ知らない話をされているのかとかんちがいしたらしい)、南米は遠く革命は過去のこと‥と妙にしみじみしました。しかしゲバラが没してから40年以上。今こうして映画が作られるっていうことは、ゲバラ*3のしたことが安定した評価で語られるまでには時間が必要だったということで、政治ってやっぱり長い目の大事業なのだなあ。

*1:ポレポレの回数券の有効期限が今月いっぱいなのであわてて。去年と同じ轍‥

*2:?。すみません、彼女が喋りだすまでただぼんやり画面を追っていたので、どの時期に行動を共にしたのかはっきり把握できてないです。政治家としてのときかな?と思ったのだけど、その後、コンゴ行きに自分も誘ってほしかった、と言っていたので革命グループなのか?と推測

*3:ゲバラ」と入力するたび少し愉快な気持ちになるのは。脳が「ゼニゲバ」と変換しているためか‥(猫夢中)