モダン道中 その恋待ったなし(1958)

昭和の原風景 @神保町シアター

監督:野村芳太郎/松竹大船/カラー・シネスコ
脚本:野村芳太郎山田洋次/出演:佐田啓二高橋貞二岡田茉莉子桑野みゆき桂小金治、坂本武
映画の約束事を映画的に笑うメタ映画の要素をもつ珍品痛快コメディ。名監督・野村芳太郎は羽目をはずしすぎ、城戸社長は激怒。

以前観た野村芳太郎の「観賞用男性」がそれはそれは洒落たロマンチックコメディだったので(→☆)、自ら「モダン」を名乗るこの作品は、相当期待できそう!とうきうきのぞんだのだけど。んんん、いくらモダンでも、しょせんは道中‥。道中の限界を見た。お洒落さにうっとりすることはなかったけれど、ハチャメチャでおもしろかった。この作品で羽目をはずしすぎて、野村監督はしばらくほされたらしいけれど(と、以前読んだラピュタのチラシに書いてあった)、今観るぶんには、パンチが効いてるなあ!と嬉しくなる程度のやりすぎ*1。しかし今考える「これ面白くない?これ新しくない?」ってアイデアの大半は、すでに世の中に出ていたものなのね。この映画を観た人の多くは、そう思ってすこし途方に暮れるはず。くやしいけれど、おもしろかった。この映画のなかの岡田茉莉子はそうとうに魅力的。ナレーションもキュート*2

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行きそうで行かない神保町。今日は映画と映画のあいだの時間がけっこうあったので、食事をしたあとあちこち散策して、今まで「点」と「点」だった場所を、線で結ぶ作業をした。もう少し通えば、線は面になり、町を把握できるだろう、という手ごたえがあり満足。
でもさあ。祭日の神保町、あちこち休みすぎ。あの店この店お休みで、「そうそう!休日の神保町ってこうだった!」と自分がいまいち神保町にこころを開けない理由を再発見。そもそも神保町が、わたしにこころを開いてくれないんだよ‥。

*1:とはいえすべての映画がこれをやりだしたら、鬱陶しくて仕方がない

*2:トンちゃんもキュート。しかし誰なんだトンちゃん