不灯港(2008) @ユーロスペース
不灯港
2008年/日本/101分/カラー/監督・脚本:内藤隆嗣/出演:小手伸也・宮本裕子・広岡和樹・ダイアモンド(六芒星)ユカイ*1
新たな才能を輩出し続けるPFFスカラシップ最新作。
極めて日本的な漁村風景に、孤独な男・万造の恋の顛末を描いた、しびれて、笑える、ハードボイルドな喜劇。(→HP)
チラシを見たときには、「地味な映画だな」と特に心をひかれなかったのだけど、予告編がなんともおもしろそうな間合いにあふれていて、俄然興味をひかれました。地味なキャストで地味な動きで心をつかむってなんなんでしょう。おもしろかった。
おもしろさの核にあるのは、主人公・万造の、(見た目とは裏腹の)ロマンティストぶりと、この外見でロマンティストをまっとうする男気。なのだけど。男気切ない。むくわれない。でもむくわれないからこそロマンとして完結するんだよなあ。ロマンをまっとうするって切ないなあ。他人事だからおもしろいけど。
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HP中の、ヒロイン役の宮本裕子さんの言葉がすべてを語っていました。
「(主人公・万造のような野暮で真面目で、でも独特のダンディズムを持つ男性について) 実は万造のキャラクターは実際の監督そのものなんですが、若い頃はまったく縁のなかったタイプ。でも今では女性はそっちに行ったら幸せになれるかな、とも思ったけど、いかんせん監督とは会話が成り立たない(笑)。愛にはコミュニケーションが大事」。(監督からの「愛は言葉では伝わらない」のコメントに)「愛以外も伝わらなかった(笑)」。
♪負けるなー おとーこー♪(歌うしかないね、もう)