最近読んだ本(田紳有楽・一家団欒・つれづれ16)

上の映画を観て、「ハテわたしが読んだ山田風太郎の忍者小説はなんだったっけな。読んでないのを読もうとしてすでに読んだやつ買わないように気をつけよう。でも読み終わった本実家に持って行っちゃったからな‥」(山田風太郎の忍者小説は面白いのだけれど、異様におなかイッパイになってしまうので一冊読むとしばらくはいいか‥な気分になる。なんだかんだで3・4冊読んだのだけど、なに読んだのか思いだせん‥)。以上の理由から読了本の記録もマメにしようと思いメモ。

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田紳有楽・空気頭 (講談社文芸文庫)

田紳有楽・空気頭 (講談社文芸文庫)

幕末太陽傳」を観たときに思い出し、「世界観が似てるかも」と思ったので再読(→☆)。
いったいどこが似てるのかと、自分につっこみながら読了。ふふふ。わたしの分類は大雑把すぎる。「田紳有楽」の無秩序混沌に比べたら、「幕末〜」のなんと理路整然と清潔なこと。
ああでもどちらも面白くわたしの大事箱にしまいたい作品なので、その箱に入るという意味では同じ分類なのか。(再読後2ヶ月が経ち、「ああもう同じ引出しにいれておけ」という指令を脳が出しているのを感じます)

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悲しいだけ・欣求浄土 (講談社文芸文庫)

悲しいだけ・欣求浄土 (講談社文芸文庫)

「田紳有楽」は別格すぎる気がしたので、ほかの藤枝静男作品も読んでみたく購入。(前回「田紳有楽」を読んだときにも気になったのだけど、文芸文庫は高価。ブックオフで地道にハントを続けるがめぐりあえず。業を煮やして定価で購入)
地味で貧乏くさくて苦手だと思っていた私小説世界が案外しっくりなじめた。ムムム。ここ数年めっきり小説から離れているわたしは、むしろ私小説を読んでいけばいいのかもしれない。むう。
でもいちばん好きなのは、「一家団欒」(私小説というジャンルになってるけど、死んだあと、お墓の下でのはなし)。わたしはこういう話が好きすぎる。あやかし、ゆるし、デンデコ、デンデコ。これも心の大事箱にしまいこむ。

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前巻のつれづれ(15巻)が、「・・・・。つまんない」。眉間にしわよせて投げ出したいかんじだったので、貸してくれる妹の、「今回はイイよ!」というおすすめにびみょうに疑り深くなりながら読む。
ああ‥。おかえりなさい銀色さん。おかえりなさい、つれづれノート。うれしくなる銀色世界がここに。
すごいなーと感心したり、うわーどうするんだろうとハラハラしたり、うふふそうだねと同意したり、ああ、そうなんだと胸うたれたり。銀色さんの「自分の考えを記録する」というスタンスの説明と覚悟に、自分は受け止められているのか?なんて考えて。本を読むって贅沢な娯楽だなー。
以前の自分が「銀色夏生」というファンシーなイメージからずっと「つれづれ」を敬遠していたことを思えば、「食わずぎらいもしかたないよ」と思うんだけど、でも。こんなおもしろいものが今こうしてすぐそこにあるのだから、読まないのはもったいないなあとまで思ってしまった16巻。
個人的にガーンときたのは、トラブルに対する回避術。その手があったの!?目からウロコというか、銀色さんすげえ。お金はこういうときのために貯めておくもの・使うものなのか。ぢっと手を見た。