ロボゲイシャ(2009) @シアターN渋谷

監督・脚本 井口昇/特殊造形 西村喜廣/出演:木口亜矢長谷部瞳斉藤工・志垣太郎・亜紗美・竹中直人/カラー/日本映画/101分
 
昨年アメリカから逆輸入されてセンセーショナルな話題を振りまき、劇場公開&DVDが大ヒットを記録した『片腕マシンガール』の奇才・井口昇監督が放つ最新作が堂々登場!芸者スタイルの暗殺マシーン“ロボゲイシャ”が、様々な困難と葛藤を乗り越え、悪を斬る。「地獄へおいでやす!」。 −ここに、前代未聞・絢爛豪華なアクション・エンターテイメントが誕生した!

わたしが戦車になるなんて。ばかばかしくておもしろかった。血しぶき少なめ・内臓ほぼナシなので、グロが苦手な女子にも太鼓判。お尻から手裏剣!殺人ロボ芸者VS天狗ビキニ(そしてしゃぶしゃぶ)というわけのわからなさながらも、テーマは家族(姉妹)愛。しかも、しっかり乙女心リスペクト。
しかしわたしはヒロインが可哀相すぎていまひとつのりきれず。そういえば、マシンガールもそうだった。
でも城ロボのずんぐりしたフォルム(ラブリー)が見たいので、もう一度くらい観に行ってもいいなー‥(そういえば、マシンガールもそうだった)。
(以下トークショーメモ。長くなるのでたたみます)

:::

井口昇監督と鈴木則文監督のトークショーだなんて。これを見逃したら後悔百万年。そう思い早めの整理番号をもらっていたものの。その後あちこちぶらぶらしてたら、山手線渋谷駅のホームに着いたのが15:47(開場は15:50から)。
実証。渋谷駅のホームからシアターN渋谷まで、必死で走れば3分で着ける」。人間て、息が切れてからも走ることが出来るのね。知らんかった。

井口監督は鈴木監督の「ドカベン」を観て、いろいろ映画の可能性を思い知らされ、映画監督になりたいと思ったそう(その感動、わかる気がします!)。
「ボク、『「ドカベン2』を作るのが夢なんです」(井口)。「君もう少し若かったら、山田太郎出来るよ」(鈴木)。ん!?はなし、噛みあってる??
芸者の映画を撮りながら、実物の芸者さんと接触したことのない井口監督は芸者経験不足を気にされて、「鈴木監督は芸者遊びをされたことがあるんですか?」と質問。「そりゃ何度かはね。東映さんに連れていってもらいましたよ」(鈴木)。「でも、映画は映画だから。実際のものを撮るんじゃなくて、こうであってほしいというものを撮ればいいんだから」。「井口さんの芸者(描写)は、あれで、いいんですよ」(鈴木)。ここ、鈴木監督はとてもかっこよく、井口監督はとてもうれしそうだった。いいもの見た。
後半、スケ番映画リスペクト!的流れから、客席にいた亜紗美さんもトークショーに参加。亜紗美さん、近距離で見ると予想外に小柄(160センチないかも)、そして華奢(びっくりした)。Kも、映画の中で腹筋の割れてた人とは思えない、とへんな感心をしていた(わたしはわたしで、あのセクシー衣装のなかから腹筋に着目していたか‥!と感心)*1
ダメ出しではないけれど(以下、ラストに触れます。物語がどうこうという映画ではないけれど、気になる人は読まないでください)、終わり方について、姉妹が合体する必要はないんじゃないかと鈴木監督。主役をピンで押し出さなきゃ全体がぼやけちゃう的な指摘をされていました。きっと、ロボを合体させたかったんだろうなあ、でも姉妹の物語としては、色々あってお互い独立していくのがスジだろうに合体してドウスル‥と思いながら観ていたわたしはこのあたり興味深くうかがいました。「主人公だけじゃなくて、まわりの人にもスポットを当てたくなっちゃう」みたいなことを井口監督が言われて、「そこを心を鬼にして」みたいに鈴木監督。「和解したあとはいっそ姉は死んでしまってもいい」「えー‥」みたいな流れ。果たして井口監督は、心を鬼にすることが出来るのか。鬼になった井口映画はどこに向かうのか。次回作たのしみ。

*1:どうでもいいけれどKの感想は、「俺こういう映画楽しむ能力がないんだよね。よく出来てるのはわかるんだけど、面白く感じないの」「でもトークショーはおもしろかった!」。ロボゲイシャのコピー、「ギリギリ・デートに使える映画」については、首をひねっていた(不満だったのか‥)。わたしはデートに、いいと思うよロボゲイシャ。だまって俺についてこい