東京おにぎり娘(1961) @神保町シアター

1961(S36)/大映東京/カラー/シネスコ/1時間31分
監督:田中重雄/脚本:長瀬喜伴、高岡尚平/撮影:高橋通夫/音楽:北村和夫/美術:後藤岱二郎/出演:若尾文子、叶順子、川崎敬三川口浩ジェリー藤尾伊藤雄之助中村鴈治郎
  
父思いの娘は新橋でおにぎり屋を始める。快活な若尾文子、洒脱な藤間紫、登場人物すべてを好きになる、今回特集最高のおすすめ明朗編。絶対損はさせません。

「今回特集最高のおすすめ明朗編」。「絶対損はさせません」。・・・
自信満々のチラシ紹介文に惹かれ神保町シアターにでかけたのはわたしだけではなかった。噂には聞いていた、神保町シアターの満員・初体験。まさか「おにぎり娘」でねえ。神保町シアターさん、「進め!ジャガーズ敵前上陸」のときも太鼓判押してくれたらよかったのに。それはさておき「おにぎり娘」。ちょっとかわったタイトルクレジットに続き若尾文子の声が舞台となる新橋周辺を紹介するんだけど、あれ。この場面観たことある‥。うっかり者のわたしが観た映画と観てない映画をごっちゃにするのは珍しくないけれど(今まで二度ほどしましたが)。に・しても「おにぎり娘」、このタイトルを忘れるか?いやいや「おにぎり娘」、記憶にないよ。でもこの場面は、たしかに観たことある‥!しばらくはげしく混乱するも、冬にトークイベント「映画のポケット」で観たことを思い出し、ほっとひと安心。自分の記憶力はどうなってしまったかと心配したよー。
話を戻して「おにぎり娘」。なるほど明朗!なるほど藤間紫!色っぽい仇っぽい、でもまだ死にたくない。若尾文子は明るく健気‥ながらも当然のように男あしらいを発揮するあたりが流石。ただのおにぎり娘じゃありません。登場人物同士の会話のテンポにやりとりに、アハハと笑ってすこしシンミリ、登場人物の欠落も愛しい、朗らかな好作。おもしろかったァ。(「今回特集最高のおすすめ明朗編」‥とまで言うかな‥?と思ったけれど、特集が「映画と酒場と男と女」、明朗そうなのが他にないから?ていうかあのおにぎり屋は酒場なの?酒場でおにぎり?でもみんなお酒飲んでたなあ‥。若干の謎は残るわね)
どうでもいいけど「おにぎり娘」というと、昔「HEY HEY HEY」で広末涼子ダウンタウンに「君、おにぎりみたいやね」と言われていた姿を思い出します。忘れていいのに。