居酒屋ゆうれい(1994) @神保町シアター

94年のロードショー時に観たときの好い印象が残っていたのと、若き日の西島の姿を拝みたく再見。ピカピカにプリプリ(容器として最強)の山口智子がどんな服にも白いズックを合わせているのとか、幽霊が西瓜食べるのとか、くだらないところほどよく覚えてた(トヨエツの関西弁は、台詞の抑揚まで覚えていた)。

居酒屋ゆうれい

居酒屋ゆうれい [DVD]

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1994(H6)/サントリーテレビ朝日東北新社=キティ・フィルム/カラー/ヴィスタ/1時間50分
監督:渡邊孝好/原作:山本昌代/脚本:田中陽造/撮影:藤澤順一/音楽:梅林茂/美術:稲垣尚夫/出演:萩原健一山口智子室井滋西島秀俊三宅裕司余貴美子豊川悦司
美人の後妻を持った居酒屋主人・萩原健一は前妻の幽霊に悩まされる。大衆居酒屋おなじみのコの字カウンターを囲む芸達者の顔ぶれがいい。

94年のショーケンは、「もうトシだよ」「いやまだ若いよ」の40歳役。94年のわたしにはまだまだ遠かった40歳、2010年のわたしには他人ごとではありません。イキナリここが感慨深いわ。‥(気をとりなおして)94年のショーケンは、愛嬌のある居酒屋のオヤジ役。かわいくニカッ!と笑われて、まったくもって落ち着かない。しかしそれより落ち着かないのは、西島の明るい(かるい?)アンちゃん役。髪は茶色いわ顔がまだ出来上がっていないわやけに痩せてるわ‥なんだか見ていて気恥ずかしい。若さがありがたくないのは男性だからかしら。などと思ったところにワケあり男役(?)トヨエツ登場。この映画のなかのトヨエツの恥ずかしさは最強。若さが?いんちきっぽい関西弁が?見ていると恥ずかしさに瞳孔がひらく。この子、舞台あらしだわ‥!トヨエツの出番が終わるとほっとする‥(まあそういう役なんだけど、必要以上に)。16年という年月の恥ずかしさはリアルでやな汗かいた*1
登場人物における時間の流れはさておき、映画の好ましさは今でも健在だった。舞台となった横浜の反町の風景、京浜急行線に京浜東北線の見える景色が懐かしく心地よいのは、単にわたしの実家に近いからかしら。目にうれしいの。居酒屋のディティールに郷愁があるのもよいな。カウンターに座って煮込み食べたい。幽霊になってあのひとのところにでていきたい。

*1:いっそあと50年経てば平常心で新しいものとして見ることが出来ると思う