[映画]これでいーのだライブ西行(ライブテープ×これでいーのかしら怒る西行 ミックス上映)(2010) @ポレポレ東中野

〜『童貞。をプロデュース』公開3周年&著書『セルフ・ドキュメンタリー』発売記念 松江哲明特集上映〜
「ライブテープ」と「これでいーのかしら 怒る西行」のリアルタイム同時上映。リアルタイム同時上映?なんだ、それは。‥なんだかよくわからないものには近寄らないでおこうと思い、観るつもりはなかったのだけど。夕方の回(↑)の予告編のなかに、松江監督が撮影した前野さんのライブ上映が流れ(年末に前野さんのライブDVDを発売されるそうなのでその予告替わり?)、それがえらくかっこよく、‥うおおおおライブ観たい!よーし『ライブテープ』も観るか!という流れに。‥ポレポレにのせられたなァと思うけど、あの映像見せられちゃったらしかたない。

2010/監督:沖島勲(これでいーのかしら怒る西行松江哲明(ライブテープ)/出演:沖島勲・石川友美(これでいーのかしら怒る西行前野健太DAVID BOWIEたち・長澤つぐみ(ライブテープ)/DV/97分(これでいーのかしら怒る西行)74分(ライブテープ)
2009 年の元旦・吉祥寺。ギター1本で唄いながら武蔵野八幡宮から南下、井の頭公園を目指すミュージシャン前野健太を 1シーン1カットで追うライブ・ドキュメント『ライブテープ』と、同年の春に映画監督・沖島勲が吉祥寺の南は久我山から玉川上水沿いを北上しながら井の頭公園に至るまでの散歩道を同行する女性に色々解説しながら歩いていく異色の散歩ドキュメント『これでいーのかしら 怒る西行』。奇しくも井の頭公園を目指す2本が1つのスクリーンで奇跡のリアルタイム同時上映!(各作品1回ずつの上映もあり) (直井卓俊)

ところで今回の「リアルタイム同時上映」というのは、スクリーンに向かって右半分は『これでいーのかしら 怒る西行』を、左半分は『ライブテープ』を上映するという試み。音声さんが付き添って、それこそ「ライブ上映」で贅沢な企画だったのだけど、どっこい観づらかった‥、というか、うまい観かたがわからなかった。『ライブテープ』は今までに3回観てるから、『これでいーのかしら 怒る西行』をメインで観ようと思ったのだけど、そう器用なことができるはずもなく。『これでいーのかしら 怒る西行』いつかちゃんと見直さないと(もうしわけない)(もともと両方の作品を観た人向けの企画だったのかもしれない)。
この企画は、それぞれの作品に共通するものがあるのでその共通点をたのしんでほしい‥ってことらしいのだけど、本質にふれようとすれば、言いたいことってそうたくさんあるわけじゃないし、シンクロはそんなに不思議じゃないんじゃないのかなあ。なんて思ってしまうのは、ひねくれているのか、もう若くないだけか。さて、武蔵野を。沖島監督は絵を持って、前野さんはギターを持って、それぞれ歩く。左右の画面は、ときどきは感応したような様子で、ときどきはどちらかをぶっつぶすいきおいですすんでいく。ふふふこの企画バカストレートすぎだ。成功とは言い難いけれどオモシロカッタ。上映後、スクリーンのまえで沖島監督と前野さんが握手をしたときにはいやになるくらい胸が熱くなってしまった(単純すぎる)。

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映画が終わって帰り道、『making of LOVE』を絶賛した乙友は松江映画祭になにか観に行こう、って言ってたけどなにを観たかしら。感想聞きたいなと思いメールをしたら、「しまった!今週は映画秘宝まつりに気をとられ、ポレポレのことすっかり忘れてた!失敗ー!」。映画秘宝まつり‥(たのしかったらしい。とても)。充実した映画ライフを送っているなあ(そうでなくちゃ)!
それにしても乙女というものは掘り下げる傾向があるのか、わたしのほそぼそとした交友のなかで、ふたりも山形のドキュメンタリー映画祭りに参加したことがある乙友がいるのは、けっこうすごい打率と思う。