霧の中の風景(1988) @早稲田松竹

幼い姉弟ふたりの旅は、こころぼそいしあてなんかないし、つらいめにもあう。美しいものも見るけれど、無残な目にもあう。けしてたのしい旅ではないのに、不条理な世界はどうしようもなく美しい。この旅がいつまでも続いてほしいと願ってしまうのは、ほのかにでも希望の光がてらすうちは、まだ大丈夫だと本能が知っているからか。信じたいだけなのか。けしてたのしい旅ではないのに。どこかで上映するときはまたこの旅につきあいたい。