きらめく装いの美 香水瓶の世界 @東京都庭園美術館

庭園美術館に行きたいな。薔薇が見ごろを迎えたんだって」。
庭園美術館‥。行こうよ、目黒。トンカツ食べたい」。
幸せの秘訣は(きっと)、こまかいことにはこだわらないこと*1

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「香水(perfume)」の語源をひもとくと「煙によって」とあるように、当初は芳しい薫香を神に捧げ、願いをその煙に託すものでした。その後、王侯貴族が貴重品であった香水や練香を愛用しました。香りを納めた豪華な香水瓶は上流階級の人々にとって、いかに香水というものが重要であったかを示しています。香水じたいが芸術的な創造物であり、入れる器にも上質な美が求められたのです。香水瓶もまた時代ごとのさまざまな装飾が施された芸術作品であるといえるでしょう。
本展では古代の石材やガラス製の香油瓶から、セーブル、マイセン、チェルシーの磁器、バカラ、ラリックのガラス、そしてディオールなどの服飾メゾンの香水瓶までを、海の見える杜美術館(広島)所蔵の作品から厳選した約280点で構成いたします。また海外からの特別出品としてファベルジェやブシュロンの香水瓶も出品いたします。パリ市立プティ・パレ美術館などからの版画、絵画等も加え、総計約350点により、香りの文化と歴史をご紹介いたします。(→HP)

麗しの庭園美術館に並ぶ美しい香水瓶たち。瓶のなかでも香水瓶はちょっと特別。豪奢で繊細で所有することの喜びに満ちている。瓶だけでなくラベルまで大事にとっていた昔の人。気持ちわかるなあ*2。昔、儀式のために使われた香水は、どんな匂いだったのかなあ。古い瓶のなかにゆらめく琥珀の液体(たぶん、古いのでだいぶん色が濃くなっているのだと思う)。どんな貴婦人に使われたのかしら。ドラマがあるなあ、ロマンがあるなあ。庭園美術館の内装とあいまって雰囲気のある素敵な展示でした。(香水塔のまわりに、香りの演出あり)
庭園美術館の今回のドレスコードは「薔薇」だそうです。

古代より人々に愛され続けている香りの女王・薔薇。 今回はバラをモチーフにした服やアクセサリーを身に付けてご来館されたお客様は、展覧会入場料より100円をお引きいたします。 ぜひバラのモチーフを装いの華に、香水瓶の世界をお楽しみ下さい。

こういう遊び心もいいな。などとうっとりしながらも、この後「寄生虫博物館」に向かうわたしたち(Kと目黒に行くといつもこうなる‥)*3

うっとり香水瓶をながめながら、この香水瓶たちと自分の距離を思いました。遠い。離れているね。香水ってものから離れているんだもん、なあ。いや、ひとなみに香水をめでるきもちはあるのだけれど、好みが幼稚っていうか、3年前に長い付き合いの友人から、「プチサンボンがいちばん似合う」って言われたっていうか‥(プチサンボンの香りは大好き!なんだけど、年齢的にもう駄目でしょうと10年くらいつけてなかったんだけど‥。その10年間のあれこれたのしい試行錯誤は単なる迷走だったの‥?泣いていい?)。うううイカイカン。そうだ、このあいだの臨時収入で新しい香りを買いに行こうかしら−‥?だめダメ!あのお金はコケーシカ軍資金だもん。ああ‥やっぱり‥。わたしは香水よりこけしな女‥。自分の香を持たない女に未来はない。そう言ったのはココ・シャネルでしたっけ。自分のこけしを持たない女には‥。ああダメ、こけしを愛でなくても、それなんの問題もない‥!

*1:ちなみにKの行きたかったとんかつ屋さんは、16時開店のため今回は行けませんでした

*2:ふふふみんなして蒐集地獄に落ちちゃえばいいんだ

*3:寄生虫博物館、地味にグッズが増えていた。人気あるのか