豊島区立 熊谷守一美術館

せっかくの平日休なので、贅沢に二本立て*1。いつか行かなくちゃと思いつつ行きそびれていた熊谷守一美術館(→☆)。「素敵なところだよ」と評判は聞いていたけれど、実際ほんとに素敵なところだった。
要町の住宅地にさりげなくある美術館。壁にありんこの絵がある美術館。もともとは熊谷守一の娘さんがはじめられた*2、プライベートなぬくもりのある美術館。居心地よいなあ。実際わたしがうかがったときは、たぶんご近所に住むおなじみの方なのでしょう、1階の喫茶コーナーでお茶を飲む老婦人に、美術館スタッフの娘さんが、「○○さん、ほら、あそこ。△△(←猫の名前っぽい)が来ましたよ」なんて、窓の外を歩く猫の到来を報告していて、実にまったりした空気が流れていました。たしかにここ、近所にいたら通いたいわ‥。
熊谷守一の絵が素晴らしいのは、どこで見ても同じだけれど、でも住んでいた場所・つまり絵が生まれた場所から見ているのだという磁力(それがたとえ幻想だとしても)!絵に添えられた娘さんの一言*3も、実にいい効果を添えてくれる。くすくすふむふむ、小さい美術館ながらも、その場を離れられなくて、ずいぶん長居してしまった。しかもまた来よう。近いうちに来よう。(5/26(火)〜6/14(日)は、熊谷守一美術館24周年展として、ふだんはほかの美術館に展示されている作品もやってくるそう。うふふ行かなきゃ!金曜日は20時まで開いているらしい。ありがたい)

*1:しかし熊谷守一美術館に行くまでには、地味に紆余曲折あった。まずは上野に来たので、いちおう阿修羅展の初日をのぞいて。午前中なのにすでに40分待ちで、あっさり撃沈。フィルムセンターでロシア映画のポスター展見ようと京橋に出たら、29日で終了してて、まさかの展示入れ替え日(フィルムセンター自体が休館日)。かるくグレながらもチョコカフェでごはん食べ(どうしておなかが減るのかな。悲しんでいても減るのかな。うなだれつつも美味しかった)、とぼとぼ帰り道につきながら、あ、あそこ行ってみよう、とひらめいた

*2:現在は、区が運営。娘さんは館長に

*3:娘が父に贈るスィートなものであるのと同時に、同じ絵描きとしてのあれこれや、きっと性格なのねというちっちゃな偏屈が混ざり、なんともいえないいとしさとおかしみがある